今、あなたが出会いたい人は、どんな人?
こんにちは、ぱんだごろごろです。
本田健さんの、「ハッピーライティングマラソン」第20回目のお題は、
「今、あなたが出会いたい人は、どんな人?」
です。
昨日、長く一緒に過ごしてきた相手と、別れてきたばかりです。
もったいを付けずに言うと、二十代に出会って買った人形を、お寺の人形供養に出してきたところなのです。
約四十年。
四十年間、一緒にいました。
さすがに年月の経過による劣化が、見過ごすことのできない域にまで達したため、素直に思うことができました。
もう、引き止めちゃ、駄目だって。
次の世界に行く日が来たんだね。
それで、連れて行きました。
家から近いお寺です。
駅のホームからも見えると思います。

大船観音寺は大本山總持寺(横浜市鶴見区)の直末寺(本山の住職が開山したお寺のこと)で、本尊は、聖観世音菩薩を祀っています。
電車の窓からも見える真っ白なそのお姿は、大船の観音さまとして、多くの人々から親しまれています。
JR東海道線の大船駅西口から徒歩5分ほどの場所にあるお寺です。
ちょっと坂道がきついけど、頑張って歩きました。
参拝料の300円を支払って、寺務所に行き、『人形供養をお願いします』と言うと、受付の方が書類を出してくれました。
住所、氏名を記入したあと、人形の名前を書く欄があります。
慣れ親しんだ名前なのに、緊張のあまり、書き間違えてしまいました。
私の人形の名前は、
アナスタシア・ソフィア・アレクサンドラ・マリ・ヘレナ・オルガ・エリザベス
なのですが、
アナスタシア・マリ・ヘレナ・・・
と書き始めてしまったのです。
やっぱり、私の中にも、「この人形の名前が、長過ぎるのでは」という不安があったものと思われます。
もしくは、「人形にこだわりの強い名前を付ける、変な人だと思われるのでは」という引け目のようなものですね。
まあ、これこそ、「普通の人だと思われたい」という、私の見栄なのですけれどね。
『あれ、何だっけ、間違えてる?』
少し考えたあと、記憶がよみがえって来ました。
二重線を引いて、ちゃんと書き直しました。
そして、自分の名前と、人形の名前を、法要の際に呼び上げるか否かという問いには、一瞬迷ったものの覚悟を決めて、「呼び上げる」という方に◯を付けました。
こんなところで、最後に名前を間違えたりして、ごめんね。
私にも、しようもない見栄があるのね。ごめんなさい、アナスタシア。
ちなみに、なぜこんなに長い名前なのかと言うと、この名前は、アガサ・クリスティの短編、「車中の娘」に出て来る、カトニア国の皇女からもらった名前だからです。
私が大学の卒業旅行の時に、パリのオペラ座通りの店でひと目惚れして買ってきたお人形です。
実家の家族に人形を見せると、彼らはなぜかこの人形のことを、可愛い可愛い『パリ子ちゃん』という、場所に子を付けただけの簡便な名前で、勝手に呼び始めました。
私も表面上はそれに合わせていました。
ですが、彼女にはもっと仰々しいくらいの豪華な名前が似合うはず。
そう思っていた時に、クリスティの短編を読んだため、このヨーロッパにある(架空の)小国の王女様の名前を借りることにしたわけです。
結婚後、一時板橋の実家に預けていましたが、鎌倉の家に移ったときに、迎えに行きました。
息子が小さい頃に、投げて、一部が割れてしまったのですが、幸いすぐに夫が修理してくれて、服を着せれば、外からはわからない程にはなっていました。
ただ、最近は、髪の劣化が激しく、顔と頭部の境い目がくっきり見えるようになってしまい、もうそろそろお別れかもしれないと思うようになりました。
偶然旅先で出会い、通り過ぎることが出来ずに買った人形。
彼女は私と縁があり、きっと私を護ってくれていたのだと思います。
人形とは、そういうものだから。
そして、最後に。
今、あなたが出会いたい人は、どんな人?
また会えるものなら、
アナスタシアに出会いたい。
出会ったときのアナスタシアのようなお人形に、
似ていなくてもいいから、また出会いたいと思います。

▼私のお人形の写真が残っていないので、なるべく面影の似たお人形の画像を探してみました。
私のアナスタシアは、帽子(ボンネット)はかぶっていなくて、長い巻き毛をハーフアップにして頭頂部でリボンで結び、両サイドの髪を三つ編みにして、それぞれ先に細い赤いリボンをつけていました。
目の色は、髪と同じ栗色です。
衣裳は白いレースのフリルの付いたブラウスに、リボンと同じチェリーレッドのジャンパードレスを着ていました。


今日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。
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