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おめでとう、と言われるタイミング。

誰かがなにか素晴らしいことを成し遂げたとき、
私たちは「おめでとうございます」を口にする。


妻との結婚を決めたときなんて顕著で、指輪を買いに行けば必ず、接客してくれる店員さんが「おめでとうございます」と言ってくれたもので。

10人中10人が「おめでとうございます」を口にするから、私としては「あ、結婚というのは、そんなにめでたいことなんだ」と思ったものだ。


友人が結婚をしたときも、私の口からは「おめでとう」という言葉が出てきて、さらに追加で「人生で1番おめでとうと言われるタイミングだよ」と、さも人生の先輩かのような、ヌメッとした風を吹かせていたものでお恥ずかしい。




保険業界を辞めて、会社を作ったことを知人に報告すると、これまたなぜか「おめでとうございます」と言われることが多いことに最近気づいた。

私の名刺の取締役副社長の肩書きをみて、顔色を変える人も多く、

「そんなにお若いのに、副社長ですか」

「とうとうやることにしたんだね」

「君ならやると思ってた」

「10年前から言ってたけど、本当にやるとは」

と言われることがあるのだけども、続けて何と言われるかといえば、やっぱり「おめでとうございます」である。


そうか、会社を作るということもそんなにめでたいことなのだな、とありがたさを感じるけれど、結婚のときとは感覚が少し違う。

「そんなにおめでたいことなのかな?」と思うのである。




ここで、おめでとうという言葉の語源を考える。



一説によれば、おめでとうは「めでたい」に丁寧語の「お」をつけたもので、「めでたい」は、


いた

「愛おしさ So much」の意


出たし

「とうとう芽が出たね、その芽を大切にしてね」

という語源があるらしいが、どちらがほんとうの由来かわからないし、どちらも違うかもしれない。

でもまぁ、どちらであったとしても、日本語の奥ゆかしさを感じられるから「おめでとう」と言われると、素直に嬉しいものである。





今のところ、私の人生はまだまだ続くのが既定路線であるから、今後もこの「おめでとう」を言われる機会があると思う。

多くの方からおめでとうの絨毯爆撃を浴びるタイミングはどこだろう? と考えてみると、それは自明で、

おそらく子どもの誕生であろう。



過去に私の妻の不妊治療のお話を書いたが、この治療というのは今もってまだ継続中である。いわゆる採卵、胚移植、着床、心拍確認、さらにその先を見据えて、というサイクルを繰り返しているが、そううまく事は運ばない。

きっとタイミングがあるのさ、と言ってニコニコしているが、妻の心情を思えば何とも言えない。


先日、妻がめずしく「外に行って海を見たい」と言うので、誰もいない砂浜に連れて行った。2人で海に行ったのは初めてだった。

「海は広いな大きいなぁ」と言いながらも、特にそこでこれからの方針を話し合うなんてこともない。妻はすっかり北海道の海を気に入ってしまった。北海道出身なのに。だからこの夏はきっと、海に何度も行くことになる。



おめでとうの語源は、先ほど書いた通り、

いた

出たし

であるらしいから、結婚のタイミング、会社設立のタイミングで「おめでとう」と言われた私だけど。


もしも次のタイミングがこの身に訪れたとしたならば、


その言葉を言われるたびに語源を思い浮かべては「えぇ、ありがとうございます」と言いながら「大切にします」と心の中で呟きたいものである。


<あとがき>
妻は北海道の出身なのに、北海道の海には行ったことがなかったそうです。「海派? 山派? と聞かれたら私は海派!」と昔言っていたので、海が好きなんだなぁと思ってはいましたが、海外の海にしか行ったことがないらしく「北海道にも海があるんだぁ!」と笑っていたので私も笑いました。今日もありがとうございました。

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