【NICUの記録】私たちを支えた「それは、ちょうどいい」という言葉
こんにちは、きいぴくみんです。
3人の子どもを育てている父親です。
長男と、双子の娘がいます。
双子は昨年、早産で生まれNICUに入院していました。
現在は育休を取りながら、妻と育児中心の生活をしています。
私たち夫婦で、大切にしている言葉がある。
「それは、ちょうどいい」
何かうまくいかないことが起きたときに、
「この状況にも意味があるとしたら?」と考えてみるための言葉だ。
今日は、その言葉について書いておきたい。
双子のNICUでの入院生活は、決して楽なものではなかった。
医師から厳しい説明を受けることもあった。
片道2時間かけて、面会に通い続けた。
病院からの電話が鳴るたびに、胸がざわついた。
本当は、生まれてすぐの時間を、もっと一緒に過ごしたかった。
思い描いていた形とは、まったく違っていた。
そんな中で、何度も口にしたのが
「それは、ちょうどいい」という言葉だった。
無理に前向きになるためではない。
ただ、「別の見方はできないか」と問い直すための合言葉だった。
面会へ向かう車の中で、妻と何度も話した。
その時間の中で、少しずつ
「この状況だからこそ得られているもの」に気づいていった。
たとえば、双子の退院が延びたこと。
双子の姉には無呼吸の症状があり、
退院の話が出てからも、なかなか日程が決まらなかった。
双子はどんどん大きくなる。
用意していたオムツやベビー服は、使う前に小さくなっていく。
正直、焦りもあった。
でも、「それはちょうどいい」と考えてみたとき、見えてきたものがあった。
ひとつは、長男に向き合う時間だった。
長男は、双子が生まれてから不安定になることが増えた。
今まで自分ひとりだったところに、突然ふたりの妹ができたのだから無理もない。
保育園を休ませて、あえて二人で過ごす日もつくった。
プールに行ったり、好きな電車に乗ったり。
毎晩のように、3人揃って絵本を読みながら寝かしつけをした。
「自分は大切にされている」と感じてほしかった。
少しずつ、長男の表情が落ち着いていった。
あの時間は、双子がすぐに退院していたら、きっと持てなかったと思う。
もうひとつは、双子の成長だった。
入院中に、双子は自分で空腹を感じてミルクを欲しがるようになった。
いわゆる「自律哺乳」へと変わっていった。
ミルクの間隔も、3時間おきから4時間おきへと伸びた。
この変化は大きかった。
退院後、妻と二人で、双子と長男の世話を回していくための土台になった。
この変化がなければ、妻か私のどちらかが倒れてしまったかもしれない。
こうして振り返ると、
「あのときは大変だった」と思う出来事の中にも、確かに“ちょうどよい側面”があった。
そして何より、あの半年間、
妻と何度も言葉を交わしながら乗り越えたことで、 関係は少し変わったように思う。
もともと仲が悪かったわけではないけれど、
今は「チーム」とか「戦友」という言葉のほうがしっくりくる。
あのときの私たちにとって、
「それは、ちょうどいい」は、ただのきれいごとではなかった。
不安やしんどさを、少しだけ持ち直すための、
現実的な支えだった。
もし今、思い通りにならない状況にいる人がいたら。
すぐに前向きになれなくてもいいと思う。
ただ一度だけ、
「それは、ちょうどいい」とつぶやいてみると、
見える景色が、ほんの少しだけ変わるかもしれない。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
他にも、NICUでのことや、双子との日々についても記録として残しています。
もしよければ、他の記事ものぞいてみてください。
