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【ショートショート】甘エビ、プロにあこがれる(905文字)

僕は甘エビ。名前を呼ばれるたび、こう思う。
「アマエビ」って、つまり“アマチュアのエビ”じゃないかって。
だから、プロのエビになって、「プロエビさん!」って呼ばれたい。
そんな思いで、僕は「プロ」がつく言葉たちを訪ねる旅に出た。

最初に会ったのは「プロモーション」さん。
「どうやったらプロになれますか?」
すると彼は“にやり”と笑って、
「魅せることさ。自分を磨き続けなきゃね。それができなきゃ、アマモーション止まりだよ」

次は「プロジェクト」さん。
「プロになるには?」
複雑すぎる計画図を広げながら、
「目標を立て、計画通りに進めることだ。続けられなきゃ、アマジェクトで終わる」

さらに「プロテイン」さんにも会った。
「強くなるには?」
力こぶを見せながら、
「毎日積み重ねること。ただし才能も必要だ。さもないと、アマテインさ」

他にも、プロパー、プロデュース、プロダクト、プロパンガス……。
みんなそれぞれ立派だけど、僕は、話を聞くたびに卑屈になった。
「僕なんか、アマパーで、アマデュースで、アマダクトで、アマパンガスで十分だよ…」

そして気が付いた。
「いきなりプロに挑むから無理があるんだ。まずは“アマ界”のトップに会ってみよう」

頭に浮かんだ“アマ”候補を片っ端から考える。
甘酒? 甘ったれ? 雨もり? うーん。
天城山? 尼崎? もう少し。

そして、ひらめいた。アマゾン川だ。
大きくて強い。これは“アマ界”のボスに違いない。

旅の果て、ついに僕はアマゾン川にたどり着いた。
「アマゾン川さん、プロゾン川になりたいと思ったことはないの?」

ゆったり流れながら、彼は笑った。
「プロゾン川? まったく興味ないね。名前じゃ強さは決まらない。俺はアマゾン。この名前で十分だ」

「でも、こんなに雄大でカッコいいのに、なぜ“プロ”じゃないんです?」
「俺なんかより、もっともっとすごい“アマ”がいる。ほら、見上げてみな」

僕は夜空を仰いだ。乾季の澄んだ空に、星々が帯のように輝く“天の川”。
「そうか。“アマ”のままで、こんなにも輝けるんだ……」

僕は決めた。
プロじゃなくてもいい。アマのままで、自分らしく輝こう。
こうして、僕の“アマの星”を目指す旅が始まった。

(了)


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