JW954 夜麻登に与す
【東征冒険編】エピソード29 夜麻登に与す
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦111年、皇紀771年(景行天皇41)。
東征をつづける、日本武尊(以下、タケル)一行は、八溝山に籠る、八人の土蜘蛛(岩穴で暮らす人々)と、蝦夷(東北地方の人々)を討とうとしていた。




『久自の国造』の『物部の連の磐城彦』(以下、いわお)も従う中、進軍を続けていたところ・・・。

タケル(30)「ふむ。あの山に、帳(陣のこと)を布こうぞ。」
いわお「あの山は、都々古山ですぞ。二千年後の地名で申せば、福島県白河市表郷の三森都々古山となりまする。」




タケル(30)「地名の方は、都々古山と濁るのだな?」
わかたけ「父上? これが、ロマンですぞ!」
いわお「ち・・・ちなみに、高篠山や、高野峯山という別名も有りまする。して、こちらに控えるは、我らに味方している、蝦夷の魁帥(首長のこと)、『バヤジト』と『ウィル』にござりまする。」
バヤジト「お初にお目にかかりまする。前回は、名のみの登場でしたが、此度、ようやく登場することが、叶いもうした。」
ウィル「で? 『あんた』が、日本武皇子ってわけ?」
タケル(30)「うむ。その通りだ。俺のことは『タケル』と呼んでくれ。」
バヤジト「そ・・・そんな、滅相もない。畏れ多きことにござりまする。」
タケル(30)「されど、汝らは、ヤマトに与しておらぬ。異国の者たちだ。そのような者たちに、皇子と呼ばれるのは、筋違いであろう?」
ウィル「じゃあ、今日から、ヤマトに与す・・・ってんなら、文句無ぇよな?」
タケル(30)「ふむ。相分かった。では、汝らは、これより、ヤマトの者だ。」
バヤジト「かたじけのうござりまする。」
たっちゃん「皇子? 口約束など、するべきでは、ありませぬぞ。」
タケル(30)「伯父上? なにゆえにござりまする?」
たっちゃん「こういうことは、大王や、大連たちが、決めることにござれば・・・。」
タケル(30)「なるほど・・・。されど、大王が、否と申すとは、考えられませぬ。さほど、大きな違いは、無いと思いまするが・・・。」
たっちゃん「されど、筋道は、しかと、立てねばなりませぬ。」
タケル(30)「わ・・・分かりもうした。バヤジト、ウィル・・・。汝らの想いは、確かに受け取った。国中(今の奈良盆地)に戻り次第、この俺が、必ずや、大連たちを説き伏せようぞ。」
バヤジト・ウィル「よろしく御願い致します。」×2
ダータケ「では、父上? これより、八溝山を攻めるので?」
タケル(30)「いや。そのまえに、疲れを癒そうぞ。」
ウィル「じゃあ、湧水が有る処まで、案内してやるぜ。」
都々古山に陣を布いた一行。
戦いは、どうなるのであろうか?
次回につづく
