JW808 天磐盾ふたたび
【諸国鎮定編】エピソード21 天磐盾ふたたび
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦110年、皇紀770年(景行天皇40)7月16日。
ここは、纏向日代宮。


東国の動乱を鎮めるため、援軍を送ることになった。
群臣が連なる中、景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)は、総大将となった、日本武尊(以下、タケル)に、斧と鉞(大きな斧)を手渡すのであった。



そして、「タケル」は、受け取りながら、こう返した。
タケル(29)「かつて、西洲を征討した年、皇霊の威力を頼り、三尺の剣をさげて、熊襲を討ちもうした。日を置かず、賊を罪に伏させもうした。」
シロ「うむ。」
タケル(29)「今また、天津神、国津神を頼り、大王の威力をお借りし、国境に赴き、徳の教えを示そうと思いまするが、なお服さねば、そのときは、兵を挙げて攻めましょうぞ。」
オーミー「ちなみに、『古事記』では、斧と鉞ではなく、柊の木で作った長矛を、天子の使者である印として、授けておりますぅ。」

もち「ということは、前回の話は、『日本書紀』の記述やったんか?」
オーミー「そうですぅ。」
サック「それだけでは、ありませぬぞ。神奈川県大和市の下鶴間に鎮座する、諏訪神社の伝承では、『東国を鎮護せよ』と申されて、楯を護りとして授けたと伝わっておりまする。」









スズム「これが、石楯にござりまする。」
タジ「諏訪神社って、建御名方神を祀る社やろ? 何で、その神様が関わってくんねん?」
いっくん「せやっ。出雲の神様やんけ。」
サック「こちらの社・・・元々は、石楯尾神社だったとのことで、石楯尾神が祀られていたとの由。」
シロ「石楯尾神? 聞いたことのない神じゃな?」
スズム「狭野尊と申せば、わかりまするか?」
シロ「それは、初代、神武天皇の御名ではないか!?」
スズム「御意。元は、神武天皇を祀る社だったのです。」
サック「東征の折、神武天皇は、天磐盾に登られました。エピソード30の話です。」
コゴ「和歌山県新宮市の神倉山にある岩であったな?」
サック「左様。ゴトビキ岩とも呼ばれる、その岩は、我らの御世には、熊野速玉大神と熊野夫須美大神が祀られておりまする。」








カラカラ「熊野速玉大神が、伊弉諾神で、熊野夫須美大神が、伊弉冉神と言われておるな。」
いわかん「国生みの神が祀られておるのか・・・。」
スズム「その伝承が、何時の頃からか、真の楯の話として、語られるようになったのでしょうな。皇子が、東国に赴かれる際に、その楯が、手渡されたことになったのでござる。」
タケル(29)「元々、山であったモノが、真の楯になってしまったと?」
スズム「御意。して、その楯を祀りし社が・・・。」
オクタン「神奈川県大和市の諏訪神社こと、石楯尾神社であると?」
スズム「左様にござる。」
タケル(29)「とにかく、俺は、『日本書紀』では、斧と鉞を手渡され、『古事記』では、柊の木で作った長矛を手渡され、諏訪神社の伝承では、石楯を手渡されたのだな?」
スズム「御意。」
サック「なお、石楯尾神社については、諸説有りの様相を呈しておりまして、諏訪神社だけではないのですが、他の社については、割愛させていただきまする。悪しからず・・・。」
とにもかくにも、「タケル」が、総大将となったのであった。
つづく
