JW958 賊を平定して
【東征冒険編】エピソード33 賊を平定して
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦111年、皇紀771年(景行天皇41)。
東征をつづける、日本武尊(以下、タケル)一行は、八溝山に籠る、八人の土蜘蛛(岩穴で暮らす人々)と、蝦夷(東北地方の人々)を討ち取った。



『久自の国造』の『物部の連の磐城彦』(以下、いわお)。
そして、ヤマトに味方する蝦夷の「バヤジト」と「ウィル」が加わる中、解説が進むのであった。


スキピオ「この地は、矢が着いたことから、矢着と呼ばれるようになりもうした。」
八腹「ところが、西暦726年、皇紀1386年、神亀3年に、八槻という字に変わったんだとか・・・。」
イゴット「二千年後の、福島県棚倉町八槻のことやで。」


いわお「『陸奥国風土記』によると、神衣媛と神石萱の子孫は許されて、奈良時代には、綾戸族として、住んでいたようですぞ。」
タケル(30)「その綾戸族とは、何だ?」
いわお「ロマンですな。」
わかたけ「おお! ロマン!」
バヤジト「と・・・ともかく、この八槻の地にも、都々古別神社が建てられましたぞ。」


タケル(30)「ん?」
ウィル「祭神は、味秬高彦根命と皇子だぜ。」
タケル(30)「そうか・・・。」
ウィル「詳しい鎮座地は、棚倉町八槻の大宮だぜ。」



タケル(30)「では、八溝山にも、社を設けようと思う。祭神は、大己貴命こと大国主大神と、事代主命だ。」
八腹「こうして、建てられたのが、八溝嶺神社にござりまする。鎮座地は、茨城県大子町上野宮にござりまする。」



とにもかくにも、八溝山の賊を平定し・・・。
いわお「おかげで、久自国に帰ることが、出来もうした。心底より、謝し奉りまする。」
タケル(30)「うむ。これからも、久自国のこと、頼むぞ。」
いわお「御意。」
タケル(30)「して、『バヤジト』と『ウィル』は、俘として、俺たちと同道せよ。」
バヤジト「御意。」
ウィル「分かったぜ。」
こうして、一行は、進軍を再開したのであったが・・・。
スキピオ「皇子? 戦が終わったあとで、お伺いしたいと思っておったのですが・・・。」
タケル(30)「どうした?」
スキピオ「バヤジト殿や、ウィル殿と同じく、我も、蝦夷という立場にありまする。」
タケル(30)「そうだな。」
スキピオ「もし、ヤマトに与すこと能わぬ・・・となったなら・・・。」
タケル(30)「ん?」
スキピオ「我や、エピソード944で死んだ『ロドリゴ』は、何の為に、ヤマトに降り、従ったのか、分からなくなってしまいまする。」
タケル(30)「案ずるな。」
スキピオ「されど・・・。」
タケル(30)「初代、神武天皇は、国を始められた折、こう仰せられた。『この広い空を屋根に見立て、その屋根の下、一つ屋根の下に住まう、家族のような国を作りたい』と。」
スキピオ「家族・・・。」
タケル(30)「家族になろうとする者たちを、拒むと思うか?」
スキピオ「されど、大王や大連たちの認めが無ければ、ヤマトに与せぬとか・・・。」
タケル(30)「あれは、筋道について、語っただけのこと・・・。筋は、通さねばならぬであろう?」
スキピオ「では、間違いなく、我らは?」
タケル(30)「幾度も言わせるな。案ずることはない。」
スキピオ「御意。」
タケル(30)「それと、降るとか、従うという考えは、捨てよ。」
スキピオ「ん?」
タケル(30)「ヤマトに与する、王や豪族たちは、ヤマトに降ってなどおらぬぞ。」
語らいは、つづく
