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本物が見られる蔦重展

前回ご紹介した「動き出す浮世絵展」は、日本の伝統文化を扱っていながら演出がポップなので、雰囲気はモダンアート展に近い感じだった。

とても幻想的で美しかったが、テーマがイマーシブ(没入型)のため、本物の浮世絵の展示はなかった。

今回は、本物の浮世絵作品が見られる「蔦屋重三郎 / コンテンツビジネスの風雲児展」に行ってきた。

場所は上野にある東京国立博物館。といっても、正面の本館ではなく、左横を入った奥にある「平成館」である。建物がいくつもあるので、気をつけないと違う建物に行ってしまいそう。

しかも、本館でも「イマーシブシアター新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」と浮世絵の文字が見られるので、ややこしい。だが、こちらはやはりイマーシブとあるとおり、映像展示なので作品展示はない。

国立博物館「本館」
国立博物館「平成館」蔦重展はこちら

今回のお目当ては、何といっても初めてのVR体験!NHKの『歴史探偵』で観てぜひやってみたいと思い、すぐに前売りチケットを買ったのだった。

3月19日(水)に放送された『歴史探偵』

ところが、このVRコーナーはチケットがなくても体験できた。平成館に入ってすぐ右手。このように座ったままゴーグルを付けて鑑賞する形であった。

番組では出演者たちが立っていたので、歩きながら体験するエリアがあると思い込んでいた。だいぶ想像と違った。でも、ゴーグルを付けて見た世界は「360°江戸の町」! とても面白かった。

ポスターに書いてあるとおり、「吉原遊郭編」「日本橋編」があって両方体験できると思ったら、1回にどちらか1つを選ぶ形式。これまた想像と違っていた(ちょっと想像力がたくましすぎた。。。)

私は両方体験したかったので、まずは展覧会場に入る前に、江戸の町を探索できる「日本橋編」をVR体験した。

ゴーグルをつけるとそこは船の上。最初は船に乗って川を渡っていく。後ろを振り向いても川。船頭さんが後ろで船をこいでくれてるのが見える。木製の日本橋の下をくぐるのも楽しい。岸辺には、海産物を商いする町人たちがいて活気に満ちている。

船を下りて町中も探索する。蔦重が経営する「耕書堂」も見える。なかなか楽しいVRの旅であった。

気に入ったので、展覧会のあとにもう一度並んで「吉原遊郭編」も観ることにする。

さて、そのあとはロッカーに荷物を預けて身軽になり(100円は後から返金される)、2階の会場へ。

説明を見れば分かるから要らないかな、と思っていた「音声ガイド」であるが、ナビゲーターが横浜流星と知って使うことにする。なにせ耳元で蔦重の声が聴けるのだから、これまたなかなかできない素晴らしい体験。借りない手はない。

中は、平日の午後なのでさほど混んでいなかったものの、第1会場には本物の『吉原細見』『一目千本』黄表紙などや「エレキテル」も見られるので、みんなショーケースに張り付いてなかなか動かない。

少しずつ、少しずつ進むので、思いのほか時間がかかった。第2会場は少し離れても見える浮世絵展示だったので、こちらは多少歩きやすかった。

作品は写真撮影禁止だったが、最後の江戸の町再現コーナーから撮影OKとなっている。耕書堂は中も再現してあって興味深かった。

ここから写真撮影OKコーナーが始まる
蔦重の店「耕書堂」
店の中
店の中
番組に出てきた『吉原細見』『一目千本』『金々先生栄花夢』

午後1時くらいから入り、1時間ほど見たらランチにしようと思ったが、見終わったら3時半になっていた。足はすでにクタクタ。だが、忘れてはいけないVR体験もう1本。

再度並んで「吉原遊郭編」を体験する。最初、高い所から下に降りる時にふわっと飛ぶので、体が浮く感じがしてひやっとした。こちらは桜咲く吉原の中に自分がいる感じ。花魁道中と、花魁の部屋の中を見ることができて、こちらもまた面白かった。

ようやく外に出て遅いランチを4時ごろ食べたが、暑い1日だったので外のテラス席がとても気持ち良かった。


いや、それにしても、一昨日の大河『べらぼう』ではついに少年「唐丸」の正体とそのつらい過去が分かり、衝撃だった。

唐丸の本名は「捨吉」(もう名前からしてかわいそう)。母は路上の遊女で貧しく自堕落な生活をしていた。捨吉も、幼い時から日銭を稼ぐために客を取らされていた。

火事で家の下敷きになった母と別れ、蔦重に引き取られて幸せな生活を送っていたのに、母の元情夫に見つかって連れ去られ、行方不明になっていた。

だが、やがて成長した唐丸はある絵師の名を借りて、絵を描き続けていた。その絵を見て、唐丸ではないかと思った蔦重は彼を救い出し、昔の約束どおり一流の絵師としてプロデュースしていく。

その名は「喜多川歌麿」。一時、ネットでは、唐丸は謎の絵師「東洲斎写楽」になるのでは、という噂もあったが、「写楽は斎藤十郎兵衛という能役者だった」という説が今のところ有力のようだ。

今日の蔦重展でも、蔦重と、大人になった唐丸あらため歌麿のツーショットパネルがあった。これからのドラマの展開もまた楽しみである。

蔦重展の会期は6月15日(日)まで。公式HPはこちら⤵


映像字幕・実務翻訳者: 浦田貴美枝
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