MERCY/マーシー AI裁判 治安維持のための処刑。AIとアクションを添えて
良かったです。話も一貫していたし、最後の真実が明らかになるところもそんなに無理なく作りこまれていて楽しく見れました。多分、私が話が矛盾なく作られているのが好み見たい。
概要
失業率の増加に伴い治安が崩壊して、90分の即日判決のMERCY裁判が導入された近未来アメリカが舞台。主人公、ロサンゼルス市警の刑事クリスは、目が覚めると、自身の妻を殺害したMERCY裁判の被告として拘束されているところから目を覚ます。果たして、クリスは無罪を勝ち取れるのか??
アクション、スリラー
とあるものの、クリスは開始から最後10分までずっと拘束されている。しかも、弁護士も不在だ。予告の時点で、これでどうやって解決するのかと思っていた。代わりに、すべてのデータへのアクセス権限を付与される。写真、動画、データベースに対して閲覧権限を与えられ、しかも、民間・行政を問わない。そこから自分の無罪につながる証拠を見つけろということらしい。一方的な処刑感を薄めるためだろう。不足する証拠は、現場にいる警察官へ取得を依頼したり、リアルタイムでデータを取得することで、操作ができる。
これは、実際の裁判システムとしては無茶苦茶だが、見てる側には程よいバランス感だった。
まるで、安楽椅子の上で事件を解決する探偵のようだが、違いは命がかかっている点だ。90分後にAIによるAIが判定した事実に基づく有罪判定が92%以下にならないと死刑になってしまう。物語に積極関与する安楽椅子探偵も珍しい。
徐々に明らかになっていく事実。
そして、それぞれの人の不都合な真実が徐々に開示されていくのでAIマドックス判事と同じように徐々に主人公に対しての見方が変わっていく。まず、主人公も嘘をついてるし、被害者も嘘をついている。みんながみんな大小の嘘をついている中、AIの当初の判定した事実は、実際とは異なる。徐々に明らかになっていくのだ。
裁判??
推定有罪でAIと行われる90分の迅速な判決を行う。割と最初にしっかり背景の説明があるけど、え??となる。さらっと推定有罪で進むと提示される。
推定有罪??AIが主眼というよりは、この特殊な裁判(処刑)で秩序を保っている世界で、正義を追い求めることがメインな気がする。プライベートもなにもないが、全アクセスの権限はMERCY裁判参加者のみという形にすることで、この世界でのぎりぎりのバランスを保っている。ただ、ネットワークエラーに弱かったりするので、やっぱり前提が崩れやすく脆弱ではある。
完璧でないデータ。AIの人間性? データの不完全性?
途中からAIが勝手に介入しだす。娘の安全を優先する主人公に手を貸すように爆弾を不発にしたり、ドローンを制御したりする。どちらかといえば真実をおいたくなったのだと考えた。
どんでんがえし
最期に、主人公クリスが、自身の裁判の無罪を勝ち取り、第1号の裁判が誤りだったことを突き止める。第1号ではMERCY裁判による治安維持と統制を優先したい同僚が証拠品を隠滅していた。MERCY裁判自体の欠陥を明らかにした形で映画は終わる。今後、どうなるかは微妙なところではある。
演出
ずっと、主人公は部屋からでないので代わり映えしない。けど、上手に仮想現実感を出している。これは、悪くなかったともう。上手。
データ操作のUIがずっと旧世代のエクスプローラーのようで、気になる。手抜きかな? 好意的な見方をすれば、操作される側のデバイスが古くて、そう遠くない未来での出来事ともいえるけど。。。
まとめ
AIのふるまい
見ようによっては、プロンプトハッキングされたAIのようなふるまいになったといえなくもない。映画だけだとAI側が、不完全性を学習し、与えられた権限内では解決できないときにどのように判断するのかといった人間味を獲得したようにもみえる。個人的には後者のように描きたいのかなと思いつつ、実際の事実は前者か?と思っている。(パンフレットでは、後者らしい。私はちょっと壊れた?と思ってしまった。)
裁判ではなく処刑
が、そもそものMERCY裁判は、裁判としては無理がある。ちょっと先の未来だとしたとき、やはりすべての証拠もあつまるわけでもない。やはり、裁判と銘打ってはいるが、どちらかというと治安維持のための処刑の役割が大きい。正義よりも統制のために、MERCY裁判での処刑をしやすくするために証拠隠滅があったりして、そこをうやむやにせずに描き切っていた。さらに、調査などにシーンもテンポよく進んでいくし、程よくアクションもあって退屈せずみれた。なんかタイトルがダサい気もするけど、わかりやすいこともあるので難しい。ダサいと思ったけど観たくなって理由でもある。
総評
文句をつけるところを探せば、見つかると思うが非常に楽しめた。
たぶん、私は粗や矛盾したり整合性がとれないことやテーマがあることに対してではなく、それに一切ふれない話が嫌いなのだろう。本作は、そんなことなくきれいに向き合っていたので非常に楽しめた。
パンフレットは、小さい。

適切なプロモーションで好き。
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