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置いていかれた熱燗

金曜日、朝5時。
一週間のラストスパートだというのに
身体に
心に力が入らない。

毎月訪れる
月経前の気怠さは
年々重くなっている気がする。

前日23時に送られていた
ミス摘発メッセージに危機感を煽られ
朝6時半、なんとか一仕事を終えた。

いつもならベッドから一度出て
一仕事終えた頃に目が覚めてくるものなのに
今日は未だ身体が重たい。

加えて前日お客様との打ち合わせで
提案したデザインがお客様に響かず
これからどう進めるか決まらずにタイムアウトという
なんとも喉に骨がつっかえているかのような
不快感を残したままだった。

頭の中はそのことばかりがぐるぐると巡り
忙しい。

なのに身体は一向に忙しさを感じてくれない。

「まだ朝早い。もう一度寝よう」

これが失敗だった。

寝て、起きて、ベッドでスマホを見ては
頭の中だけ大忙し。

気づけばあたりは暗くなってしまった。

1日を家の中でまったり過ごすことは好きだけど
頭の中だけ忙しくして
何も動けなかった日は後悔の気持ちが大きい。

19時半、相棒が帰ってきた。

とりあえず突進。

一悶着すると、「今日はお鍋と熱燗にしようと思うんだ」
と晩酌メニューの告知があった。

さっきまで後悔に支配されていた心が
ぱぁぁぁっと華やぐ

この際ダイエットなんて気にしない。

お風呂に入って万全の準備で熱燗を迎えるんだ!

そう意気込んでいたのも束の間、
お風呂から上がると
突然の眠気とアトピーによる痒みに襲われた。

ひとまずベッドへ避難だ….

窓を開けて空気を入れ替え
身体を落ち着かせると
そこで記憶は途絶えた。

そして翌朝、
きっと熱燗になる予定であっただろう
透明の液体が入ったパックの日本酒は
冷蔵庫でキンキンに冷やされていた。

お迎えできなくてごめんね
熱燗。
また今夜会おうね。

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