【創作童話】夕焼け小焼けの秋しぐれ『ひとりぼっちの不思議色』
空はきれいな茜色。
ぼくと祐太は、「空まで届けー」ってブランコを漕いでいた。
でも突然、
キィー! という、音とともに、ブランコが止まった。
「颯斗、もう帰るね」
そう言って、佑太は小さく手をふって、かけていった。
遠くに佑太のお母さんの姿が見える。
ぼくも慌てて「また明日」って、叫んだ。
そのとたん、
あたりがしんとなった。
となりのブランコは、ぽっかりあいている。
仕方なく、ぼくはひとりぼっちでブランコを漕いだ。
すると、頬っぺたにポタンと冷たいものが当たった。
雨だ。
でも、なんだか分からないけど、気持ちがホッとした。
パラパラと降っていた雨がやんで、
しばらくすると、横のブランコが揺れているのに気がついた。
あははは…。ふふふ…。
笑い声が聞こえる。すごく楽しそうだ。
ブランコの音と風の音がまざったのかな。
そう思ったそのとき、ふっと、あたたかい風に包まれた気がした。
もしかして、風が遊んでるのかも。それとも妖精?
まさかなあ。
思わず、笑っちゃった。
あたりがパッと明るくなった。
ブランコを漕ぐのをやめて、見あげると、太陽の光でピカピカ輝いている空に、くっきりと鮮やかな虹がかかっていた。
「うわー! きれいだなぁ」
そうつぶやくと、あたたかい風が通りすぎて、目の前にキラッと何かが光った。まるで、虹を映しだしたかのように、順番に色をかえて光っている。
あっ! なくしたビー玉に似てる。
引っ越しのときになくしたっけ。探しても見つからなかったな。
光は、すーっと虹のほうへ、真っすぐ進んでいった。
ぼくはいつまでも虹を見ていた。
すると、
「颯斗、帰ろう」って、お母さんの声が聞こえた。
お母さんが虹から現れたのかと思った。
お母さんと虹が重なった。
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