【NICU日記】光が見えてきた|プレパパ|フリーランス
心臓の話を聞かされた、次の日。
精神的・肉体的な疲れを感じつつも、いつも通り妻と二人でNICUへ向かった。
ありがとう看護士さんたち
ところで、看護師さんは毎日担当が変わる。
最近は私たち夫婦の手技がとても成長してきて、パパ・ママとして立派になったことや、我が子がすごく大きく成長し、いろんな表情もみせるようになったことに言及される。
この日は、初めてこの病院に転院してきた日に担当してくれた、ゴマキ似の看護師さんだった。
めちゃくちゃ褒めてもらった。
今のパパ・ママなら、絶対にこの子をおうちに帰ってからも幸せに育てられるだろう、ということも言ってくれた。
それから、我が子がついに4000gを突破し、すごく大きく、そして赤ちゃんらしくなったと、感慨深く話してくれた。
赤ちゃんらしくなった、というのはまさに私も思ってたことだ。
生まれたての頃より、自分の感情を表に出せるようになって、不快なときには泣き、満足したら寝て、興奮したら全身を動かす、そういうことができるような体力もついてきた。
泣いていても、看護師さんが近づいてくるとピタッと泣き止み、嬉しそうに目をキラキラさせるのがすごく可愛くて…!ということも言ってくれた。
どの看護師さんもうちの子を可愛いと言ってくれる。
他の赤ちゃんにも言ってるのだろうけど、それでもやはり我が子は特別と思ってる私たちにとっては、嬉しくてしようがない言葉だった。
浣腸いらずと、次のクールの伏線
毎回、浣腸→沐浴→おっぱい→哺乳瓶で、3時間1クールのような感じでやっているのだが、この日は、浣腸をしなくてもうんちが沢山でた。
なので、浣腸をせずに済んだ。
今ぐっすり寝てるし、帰ろう…。とおもったところで、「次の時間は浣腸をしましょう!」と、次のクールの話をされてしまった。笑
これは今日はもっとお世話していけって意味だね、と妻と顔を見合わせて、次の時間もやることにした。
しかし、後にわかるのだが、これが伏線だった…!
最高記録46ml
次の時間、無事浣腸を終えて、おっぱい練習、本日2度目に挑戦した。
おっぱいも2週間前くらいまでは、イヤイヤ!で拒否する確率が5割ぐらいあったのだが、最近は毎日成功している。
とはいえ、30mlいけば良いほうで、それも1日1回成功すれば御の字という感じだった。
ところがこの日は2回目にも関わらず、しかもお腹すいてめちゃくちゃ泣いてたにも関わらず、最高記録の46ml達成!
私も授乳時間のタイムキーパーをするだけで、ほぼ妻と娘の二人だけで、看護師さんの助けもいらずにこれほど飲んだ。
すごいぞ我が子!
何という成長…。
看護師さんも大喜びだった。
一応いつも通り、おっぱいで達成できない残りの量をミルクであげ、げっぷもさせ(このげっぷも、ここ数日でめっちゃうまくなった!!)、満腹状態でおねんねさせた。
「先生が話したいそうです」
そして、ベッドに戻し、今度こそ帰ろうとした…そのときだった。
看護師さんから、「先生が話したいそうです。もうちょっと待てますか?」と言われた。
え、これ以上なにがあるというの…?
昨日あんな話をされたばかりなのに…。
看護師さんは、そんな私の様子を見てこういった。
「先生の話って言い方悪かったですね、すみません!ドキドキしちゃいますよね…。」
ええ、ほんとに。
しかし、この看護師さんの発言も伏線だった。
「退院」の二文字
数分して先生がやってきた。
あの、8月から入ってきた有能な先生だ。
「大変おまたせしました…!」
「いえ、全然待ってませんけど!」
そして、なんと、先生の口から出てきたのは……「退院」の二文字だった!
内容はこうだった。
大丈夫そうなので、そろそろ退院を決めたいと思っている
この週末(土日)の様子を見て、無呼吸発作が出ないことを確認する
月曜日に最終確認。お薬の練習や週末の状態を全部見て、そこで退院の日程を決める
退院は火曜日以降になる
退院当日は、注射を4本とロタウイルスのワクチンを飲んでから帰る
ロタは生ワクチンなので、接種したその日に帰るのが一番いい
二ヶ月、待った言葉
退院……!!
二ヶ月、待った言葉だった。
転院してから、ずっと待っていた言葉だ。
なんなら、妻から今日帝王切開すると聞いた日。
その言葉は数日後に聞けると思い込んでいた。
だけど待っていたのは、呼吸器に繋がった娘だった。
それから転院して、7月に一度「退院できそう」と言われて、その翌日に無呼吸発作が出て、遠のいた。
本来の予定日も過ぎた。
MRIを撮ることになりかけて、中止になった。
胃の検査をして、お薬が増えて、昨日は心臓の話まで聞かされた。
そのすべてを越えて、今日。
先生はこう言った。
「こんなに大きくなっているしね。安心して帰れると思うので」
「お父さんたちがコツを掴んだんだと思う」
「だいぶ色々できるようになったのを見せてもらいました。それが一番大事」
先生から言われた、大事なこと
退院の話のあとに、家に帰ってからのことも教えてもらった。
この子は空気を飲みやすいのが特徴。だから吐き戻しやすい
お薬は逆流そのものを治すわけではない。ムカムカを抑えて、お腹を動かして、ガスを減らすもの
つまり、空気を飲みやすいこと自体は、お薬では治らない
だから、飲んだら縦抱っこ、ゲップ、横向きで寝かせる、おならとうんちを出す。このケアは家でも続けること
家でもまた吐き戻すことはあるし、一時的に顔色が悪くなることも絶対にある
でも体が大きくなれば、自分の力でおならができるようになるし、多少お腹が張っていても平気になっていく
つまり、これで治ったわけじゃない。
まだ続く。
でも、それは家でやっていけることだ、と言ってもらえた。
あの「手技」が、完璧と言われた
私は、7月のことを思い出した。
私がミルクをあげている最中に、我が子の唇が紫色になって、看護師さんが二人飛んできて、退院が消えた日。
先生から「手技の問題」と言われて、パパとして資格がないんじゃないかと思った日。
あの「手技」について、今日、完璧と言われた。
私たちは、8月から動員されたこの先生にお礼を言った。
先生は、再度、おまたせしてすみません!と言った。
いえ、だから待ってませんって…!
看護師さんの、見事な誘導
ああ、そうか。
今日の看護師さんは、この話を先生が話すのを知っていて、でも夕方にならないと来れないから、「退院」という言葉を出さずに、私たちを夕方までNICUに引き留めていたんだと悟った!
なんというスキル!
全く気づかなかった。
まさか、それとなく誘導されていたとは…!
ここの看護師さんたちには、本当に頭があがらない。
赤ちゃんのことだけでなく、私たち親のケアまでしてくれるのだ。
まだ確定ではないが、いよいよ退院が本格的にみえてきた日。
帰りの夏の空はとても美しかった。

光がついに、見えてきた。
