父の後ろ姿は珈琲の香り
札幌に引っ越してから父はコーヒー通になり、豆の卸売業をやっていた友人にも珈琲についての知識を沢山きいてこだわり始めた。
サイフォンを買ってきて下画像↓

淹れてくれて、珈琲の美味しさをわたしも少しずつ分かり始めた。どこの知人宅、特にお年寄りの家に行ってもインスタントコーヒーしか出てこなかった経験からコーヒーなんて苦くて酸っぱくて何が美味しいのだろうと訳わからなかった私の記憶がすこしずつ変化していった。
コーヒーミルでガリガリガリガリと始まる。。家中ガリガリ音が響き渡る

珈琲の粉だらけになりながらも、、父の淹れてくれる一杯は美味しく感じられた。
珈琲は誰が淹れても同じなんてことはない。一人一人淹れ方は同じでも味が変わる。
近所にあった「武蔵」ラーメン屋の店主の息子たちが曜日ごとに暖簾分けして店をやっていたけど、麺も作る製法も同じなのに、やはり店主の作るラーメンの味が一番だと聞いた。
珈琲も淹れ方は同じでも、淹れる人によって味が変わる。
実際、豆の卸業やってた友人にも言われたらしい。
「なんか美味しいんだよなぁ~」
専門知識も豊富で同じ豆、同じ淹れ方でその友人も淹れているのにね。
その一言に父は嬉しそうだった。
静かに湧き上がる湯気、、。ふつふつと粉が蒸される音、、。ぽたぽたと落ちていく音。カフェのミュージックをかけ流して。
我が家は喫茶店と呼ばれ父は近所のおじさんたちと「珈琲友の会」なんてものまで作った。麻雀したりね。きゃっきゃっとおじさんたちの笑い声が響いてて女子会みたいだったけど。笑の種はどうでもよさそうなことだった。
父がいなくなって私が淹れるようになった。サイフォンではなく、、ドリップでね。
そんな想い出を浮かべながらわたしは母に、そして農家の10時の休憩時間にも珈琲当番になって淹れたり、親戚や友人達にも振る舞ってきた。
わたしの淹れる珈琲はどうやら「アメリカンだね」と言われる。
さっぱり系?その時の感情の変化も表現されるのかもね。
そう考えるとロマンを感じる。
あの時、父が淹れる後ろ姿は丸かったけど、たしかに珈琲の香りがした。

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#エッセイ ?
追記 9月22日🙌

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