【古生物図鑑】背中に帆やトゲを持つユニークな古代生物たち
背中にそびえ立つ巨大な帆や、鋭く伸びた棘(トゲ)。古代の地球には、恐竜だけでなく、哺乳類の親戚である単弓類や、両生類、ワニの仲間にも、同じような特徴を持つ生き物たちが多数生息していました。
これらの突起は、体温を調節するラジエーター、仲間へのアピール(ディスプレイ)、外敵への防御武器、脂肪を蓄えるコブなど、さまざまな役割があったと議論されています。今回は、そんなユニークな姿をした古生物たちを分類ごとにご紹介します!
1. 単弓類(哺乳類の親戚筋)
哺乳類へと繋がるグループで、恐竜時代よりも前のペルム紀に大繁栄しました。
■ ディメトロドン

生息年代: 古生代ペルム紀前期
分類: 単弓綱 盤竜目 スフェナコドン科
特徴: 帆を持つ古生物の代表格。背中の巨大な帆には血管が通った痕跡があり、体温調節やディスプレイに使われたと考えられています。強力な肉食動物でした。
■ エダフォサウルス

生息年代: 古生代石炭紀後期〜ペルム紀前期
分類: 単弓綱 盤竜目 エダフォサウルス科
特徴: 史上初の植物食性有羊膜類とされています。ディメトロドンとは異なり帆に血管の痕跡がなく、棘には「横突起」が多数生えていたため、個体識別やディスプレイに使われたと考えられています。
■ セコドントサウルス

生息年代: 古生代ペルム紀前期
分類: 単弓綱 盤竜目 スフェナコドン科
特徴: 現生のガビアルのような細長く伸びた吻部(口先)を持つ魚食性の動物で、背中にはディメトロドンと同様の帆を持っていました。
■ イアンタサウルス

生息年代: 古生代石炭紀後期
分類: 単弓綱 盤竜目 エダフォサウルス科
特徴: エダフォサウルスの祖先系統にあたり、小型で細身ですが、すでに横突起のある帆を持っていました。肉食あるいは昆虫食であったとされます。
2. 両生類
■ プラティヒストリクス

生息年代: 古生代石炭紀後期〜ペルム紀前期
分類: 両生綱 迷歯亜綱 分椎目 ディッソロフス科
特徴: カエルのような胴体を持ちますが、背中には皮骨板に由来する単弓類によく似た帆状の突起を持っていました。陸上で小動物を捕食していました。
3. 主竜類・偽鰐類(ワニに繋がる系統)
恐竜やワニの祖先にあたるグループで、三畳紀に独自の進化を遂げました。
■ クテノサウリスクス

生息年代: 中生代三畳紀前期
分類: 爬虫綱 ポポサウルス上科 クテノサウリスクス科
特徴: 背部から頸部にかけて、椎体の最大12倍もの高さに達する巨大な神経棘の帆を持っていました。
■ アリゾナサウルス

生息年代: 中生代三畳紀中期
分類: 爬虫綱 ポポサウルス上科 クテノサウリスクス科
特徴: 中心の5〜10倍の高さに達する、後方に湾曲した神経棘による帆を持つ肉食爬虫類でした。
■ ロトサウルス

生息年代: 中生代三畳紀中期
分類: 爬虫綱 ポポサウルス上科
特徴: 四足歩行で、歯がない角質の嘴(くちばし)と、背部に帆のような突起を有していました。植物食性または雑食性でした。
4. 恐竜(獣脚類)
■ スピノサウルス

生息年代: 中生代白亜紀後期
分類: 爬虫綱 竜盤目 獣脚亜目 スピノサウルス科
特徴: 最大級の肉食恐竜。背中に高さ2メートル近くの神経棘による帆を持ちました。ワニのような細長い口と、パドル状の尾を持ち、水辺や浅瀬での魚食生活に高度に適応していました。
■ コンカヴェナトル

生息年代: 中生代白亜紀前期
分類: 爬虫綱 竜盤目 獣脚亜目 カルカロドントサウルス科
特徴: 腰の前にあたる2本の脊椎の突起だけが異様に高く伸び、局所的な「コブ」を持っていました。また、前肢の骨に羽毛の痕跡の可能性がある突起が見つかり論争を呼びました。
■ イクティオヴェナトル

生息年代: 中生代白亜紀前期
分類: 爬虫綱 竜盤目 獣脚亜目 スピノサウルス科
特徴: スピノサウルス科の恐竜ですが、背中の帆が2つの山のように分かれた奇抜なシルエットを持つことで知られています。
5. 恐竜(鳥脚類・竜脚類)
■ オウラノサウルス

生息年代: 中生代白亜紀前期
分類: 爬虫綱 鳥盤目 鳥脚類 イグアノドン科
特徴: 背骨から長く伸びた神経棘を持つ草食恐竜。この突起の機能については、体温調節用の「帆」、ラクダのように栄養を蓄える「肉のコブ」、あるいは視覚的ディスプレイという3つの説が議論されています。
■ アマルガサウルス

生息年代: 中生代白亜紀前期
分類: 爬虫綱 竜盤目 竜脚形類 ディクラエオサウルス科
特徴: 首から背中にかけて、長さ60cm以上になる二股に分岐したトゲ状の突起が2列に並んでいます。かつては武器と考えられていましたが、現在は突起の間に丈夫な靭帯と皮膚の膜が張られた「帆」を形成し、ディスプレイなどに使われたとする説が有力です。
■ バハダサウルス

生息年代: 中生代白亜紀前期
分類: 爬虫綱 竜盤目 竜脚下目 ディクラエオサウルス科
特徴: アマルガサウルスの近縁種ですが、首の長いトゲが極端に「前方」へ鋭く突き出しています。これは肉食恐竜などの外敵から身を守る防御武器として機能したと考えられています。
■ ディクラエオサウルス

生息年代: 中生代ジュラ紀後期
分類: 爬虫綱 竜盤目 竜脚下目 ディクラエオサウルス科
特徴: 首や背骨に高く二股に分岐したトゲ状の突起を持ちます。巨大化する傾向にあった竜脚類の中では小柄で首も短く、地面や足元付近の低い植物を食べていました。
■ レッバキサウルス

生息年代: 中生代白亜紀後期
分類: 爬虫綱 竜盤目 竜脚下目 レッバキサウルス科
特徴: アフリカの地層から見つかった竜脚類で、オウラノサウルスやスピノサウルスと同じ生態系に生息し、背中には発達した帆を持っていました。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
私が古生物を好きになったきっかけは、子供の頃に恐竜図鑑で見たディメトロドンでした。(このせいでしばらくは恐竜だと思い込んでいました)
あの独特なフォルムに強烈に惹かれたのでしょう。
今でもディメトロドンは好きですが、今回ご紹介した中で唯一、両生類から参戦しているプラティヒストリクスが可愛くて大好きです。カエルのような顔やずんぐりとした体型で、背中に帆を背負っている姿がなんとも愛らしいですよね。
また、ワニに繋がるグループでありながら立派な帆を持つアリゾナサウルスも、三畳紀の地球でどんな暮らしをしていたのかとても気になっています。
恐竜以外にも、古代の地球には不思議な形をした魅力的な生き物たちがたくさん生息していました。この記事をきっかけに、少しでも古生物たちの奥深い世界に興味を持っていただけたら嬉しいです!
