手段
ただ生きている。それが許されないから苦しいのだ。
生きているだけで何かを求められる。
「何か」が何かはわからない。時々に応じて変わるのだろう。だが、常に何かが求められている。
それを差し出していく。身を削り、心を削り、削りカスが付近に漂う。
そうしていくうちに視界はどんどん悪くなり、吸う息も汚染されていく。
それでも何かが求められ、そのたびに差し出していく。
さあどうぞ。
さあどうぞ。
さあどうぞ。
さあどうぞ。
さあどうぞ。さあどうぞ。さあどうぞ。さあどうぞ。さあどうぞ。さあどうぞさあどうぞさあどうぞさあどうぞさあどうぞさあどうぞさあどうぞさあどうぞ。
いつまでも終わらない。削って削って削って。アンパンマンのまねごとをして。それでも終わらない。
頑張っているかどうかなんて関係ないのだ。誰も背景に興味はない。
目の前に何を出してくれるかが重要なのだ。
スタートラインがどれほど違おうと関係ない。
自らの優位性を当然のように享受している奴らとも、同列に扱われる。
できなければ、できないのかと冷ややかな目で見られる。
調子を合わせなければ違うんだねと言われる。
自己を手段として扱われることにも甘んじなければならない。
どうしてこうなったのか。
わからない。
結局独りが楽だったのだと気づくのだ。
どこまで言っても、交流など不可能だったのだと悟るのだ。
お互いがお互いを手段として利用としている関係が結局は楽なのだ。
さあ今日も削ろうじゃないか。
求められたものを求められるだけ削り出し、精々満足させてやろうじゃないか。
所詮自分は物言わぬ手段に過ぎないのだから。
