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hoshizoramochi
お題で書きはじめるnote企画|「ひとりごと」:シロクマ文芸部
「ひとりごと、多くなったかな」
深夜二時の解析室。
青白いモニターの明かりの中で、私は誰に聞かせるでもなくそう呟いた。
目の前の分厚い研究日誌には、数式と仮説がびっしりと書き込まれている。
白衣の袖を少し捲り、眼鏡を指先で押し上げる。
学生の頃は、独り言を言う大人を「余裕がない人だ」なんて冷めた目で見ていたけれど、今ならわかる。
これは、自分の思考を外の世界に繋ぎ止めるための、命綱のようなものだ。
「この変数、$x$ の値が期待値からズレているのは、ノイズのせいじゃない……。おそらく、根本的な設計ミスだわ」
指先で顎をなぞりながら、開いたままの本を見つめる。誰もいない部屋。
空調の微かな音だけが響く空間で、言葉は形になって、また消えていく。
ふと、窓ガラスに映る自分の顔を見た。
疲れてはいるけれど、瞳の奥にはまだ消えない熱が灯っている。
「……ま、いいわ。夜はまだ長いし、コーヒーもあと一杯分残ってる」
私は再びペンを握り、真っ白なページの続きを埋め始めた。
独り言の主は、自分自身。
そして、その答えを見つけ出すのも、また自分だけなのだから。
製作:GeminiProduction
(注)ヘッダーは星空モチさんからお借りしました😊
