視覚障害者がAIと相性がいい理由 ― プロンプトより大切な"条件整理"の話
見えないことが、武器になった
まさか自分でそう思う日が来るとは。
AIを何千回と使ってきて、ようやく気づいたことがあります。
私がAIとうまくやれている理由。
それは「目が見えないから」でした。
最初からうまくいっていたわけじゃない
誤解しないでください。
AIを使い始めた頃、私も「思った通りに動かない」「なんか違う」を繰り返していました。
それでも続けました。
オープンAIで言えば、GPT-2から現在のGPT-5まで、何千回、もしかしたら何万回。
そして最近、ようやく気づいたんです。
AIがうまく動くかどうかは、質問の上手さじゃなかった。
「自分の条件」を先に整理できているかどうか、だったのです。
「いい感じに」は丸投げ
「どこか連れてって」
もし恋人にそう言われたら、困りますよね。
デート?食事?散歩?
予算は?時間は?車?電車?
「いい感じにして」は、愛情じゃありません。
丸投げです。
AIも同じです。
「誰向けか」「何文字くらいか」「どんなトーンか」。
条件があって初めて、AIは的確に動きます。
見えない生活が教えてくれたこと
私は全盲です。
見えない世界では、行動する前に条件を整理する習慣があります。
「この道は工事中だから別ルート」
「改札は右側が空いている」
事前に決めておかないと、動けないからです。
ある日、AIに指示を出しているとき気づきました。
「箇条書きで」「3つに絞って」「専門用語なしで」。
私は無意識に、条件を添えていたんです。
これ、毎日やっていることと同じだ。
見えない世界で身についた習慣が、そのままAIへの指示になっていました。
見える人にも使える話
これは視覚障害者だけの話じゃありません。
仕事で「この資料、いい感じにまとめて」と言われたら困りますよね。
「誰向け?」「何ページ?」「いつまで?」がないと動けません。
AIへの指示も同じです。
うまくいかないとき、プロンプトのテクニックを探しがちになります。
でも本当に必要なのは、自分の条件を言葉にすること。
何を求めているのか。
どんな制約があるのか。
何が絶対に必要で、何はなくてもいいのか。
これを整理してから指示を出すと、AIの反応は変わります。
試してみてほしいこと
次にAIを使うとき、指示を出す前に10秒だけ考えてみてください。
「これは誰のため?」
「どんな形式がいい?」
「絶対に外せない条件は?」
たった3つ。
これを先に決めるだけで、やりとりの回数が減ります。
回り道の先にあったもの
私は何千回も回り道をして、ここにたどり着きました。
でも、その回り道がなかったら、この気づきもなかった。
見えない世界で生きてきた20年。
損だと思っていたことが、いつの間にか財産になっていました。
AIが教えてくれたのは、使い方じゃありません。
自分のことでした。
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今回の話の土台になっている「AIは合わせ鏡」という考え方について、こちらで詳しく書いています。
https://note.com/kind_fish6099/n/nb71ccf4db8d6
次回予告
自分の思考を整理するAIチャット術
AIは答えを出すだけの道具じゃありません。
自分の頭の中を整理するパートナーにもなります。
「何がしたいのか分からない」
「考えがまとまらない」
そんなとき、AIとの対話が突破口になることがあります。
自分をアップデートしたい人へ。
次回、その方法をお伝えします。
