西洋医学と東洋医学、両方で体を見たら面白かった話 体の軸編
体は黙っていても、ずっと何かをしゃべっている。
私は全盲だから、たぶんその声を聞くのが少し得意だ。
今日もnoteを書いているうちに、首が固まり、肩が上がり、腰が重くなった。
面白いのは、同じ不調が西洋医学では筋肉の物語になり、東洋医学では気の流れの物語になることだ。
🦴 体は勝手に「かばう」——西洋医学の視点
noteを長時間書いていると、体に面白いことが起きる。
首を固定するために肩がこわばり、キーボードを打つために肘がロックされ、腰が硬くなる。
私はこれを勝手に 「note姿勢」 と呼んでいる。
書くことに夢中になっているとき、人は体を忘れる。気づいたときには肩が石のようだ。
西洋医学的に見ると、これは明快なメカニズムだ。
体が特定の状況に適応するために筋肉を固め、その代償として血流が悪化し、痛みやこわばりが生まれる。原因と結果が筋肉と骨格の連鎖で説明できる。
論理的で、すっきりしている。
🌿 同じ体を東洋医学で見ると、まったく違う景色になる
「気が滞っている」。
あの首のこわばり、肩の硬さ。東洋医学ではこれを、首から肩にかけて 気血の巡りが悪くなった状態 と見る。
背中を走る 督脈 の流れが滞り、気が上半身で詰まっている。
そして腰の重さ。東洋医学ではこれを 「腎虚」 と捉える。
腰は 「腎の府」 と呼ばれる。長時間座って腰が重くなるのは、西洋医学では「筋肉の持続的収縮による酸欠と血流悪化」だが、東洋医学では「腎の気が不足して腰を支えきれなくなった」になる。
同じ首・肩・腰の不調が、片方では筋肉の問題、もう片方では気と臓腑の問題。
どちらが正しいという話ではない。体を見る「言語」が違うのだ。
外国語を学ぶと母国語の構造に気づくように、二つの医学を持つと体の理解が立体的になる。
✨ ふたつの世界が交差する場所
両方を学んで一番驚いたのは、交差する瞬間があることだ。
東洋医学が数千年前から「体の中心」と呼んできた 丹田。へその下、指4本分の位置にある。ここに気を集めることで体が安定するとされてきた。
そして現代の解剖学が示す人体の重心は、第2仙椎の前方、丹田とほぼ同じ場所だ。
別々の文明が、別々の方法で体を観察し、たどり着いた答えが同じ場所を指している。
これを知ったとき、鳥肌が立った。
骨盤の裏にある仙骨には 「八髎穴」 という8つのツボが集中している。西洋医学ではこの仙骨周辺は腸腰筋や梨状筋、自律神経の集まる重要な場所だ。
東洋医学では、体の前を走る任脈と督脈が協調して、胞中を安定させる。
二つの医学が、骨盤という場所で静かに出会う。
体は一つしかない。見方が二つあるだけだ。
そして両方の目で見ると、片方だけでは気づけなかったものが浮かび上がる。
👆 触って反応がわかるツボ、3つ
最後に、西洋医学と東洋医学が「同じ場所」を指しているツボを3つ紹介したい。どれも触覚だけで見つけられる。
腎兪
ウエストラインの高さで、背骨から指2本分の外側にある。腰が重いときにじわっと押すと、芯から温かくなる感覚がある。
西洋医学的には脊柱起立筋のトリガーポイントとほぼ同じ位置だ。東洋医学では腎の気を補い、西洋医学では筋肉のコリをほぐす。やっていることは同じかもしれない。
太渓
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにある。腎を補う代表的なツボとされる。
押すと脈が感じられる場所でもあり、西洋医学では後脛骨動脈の拍動点にあたる。ツボと動脈の拍動が同じ場所にある。偶然だろうか。
湧泉
足裏の土踏まずの少し前。全身の気の巡りを助けるとされるこのツボは、足底筋膜の起始部付近にある。
足裏をほぐすと全身が軽くなるのは、東洋医学でも西洋医学でも説明がつく。
押す場所は同じ。見ている世界が違うだけ。
体は一つ。見方は二つ。どちらで見ても、面白い。
よかったら今日、自分の足裏を押してみてほしい。西洋医学で押しても東洋医学で押しても、気持ちいいものは気持ちいい。
ただし、体の悲鳴を聞くのも大事な話。
強い痛みやしびれ、力が入らない、発熱、外傷の直後——そういう信号が出ているときは、自分で押さずに専門家へ。
気持ちいい範囲がセルフケアの基本。痛みが増えたら、やめていい。
妊娠中や持病がある人は、まず医療者に相談を。
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