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riyu
曼殊沙華は恋をする【毎週ショートショートnote】
「先程はありがとうございました」
「回復されてよかったです」
友人に誘われて登山を始めた。今年の夏は異常に暑くて次の登山は秋にしようと考えていたが、少し体を動かしたくなった。
SNSで自治体タイアップ参加型創作イベントを知り、権現堂堤を散策してみようと思い、幸手市に向かった。
権現堂堤は秋になると曼殊沙華が咲き乱れる名所らしい。秋の風景を思い浮かべながら歩いていると、曼殊沙華を手入れしている人たちに出会った。
素晴らしい曼殊沙華を見ることができるのはこの方々のおかげだな、と思いながら歩いていると園の外れでうずくまっている老婦人を見つけた。軽い熱中症だった。あとは手入れしている方々に任せたのだが、帰り道に気になって寄ってみたのだ。
「おかげさまで助かりました」
「あそこで何をされていたんですか?」
「一輪の白い曼殊沙華が咲くの。群生から離れたところにね」
「ええ」
「一匹狼の夫みたいに」
老婦人は一輪の赤い曼殊沙華を隣に植えようとしていたのだ。
(416文字)
自治体タイアップ参加型創作イベントの詳細はこちらです。
たらはかにさんの企画に参加しています。
毎週ありがとうございます。
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