夜に降る_02【シロクマ文芸部】【オートリバース】
夜に降る激しい暴風雨のうるささに、なかなか寝付かれないでいた。このまま、学校が休みにならないかな、と願っているうちに、いつのまにか眠ってしまった。朝起きると、嘘のように晴れ渡ったいい天気だった。
手を洗う、顔を洗う、歯磨きをする。いつもの朝がやってきて、いつものように学校へ行く。
中学校では必ずなにかしらの部活動に入らなくてはならない。とくに入りたい部活動はなかったが、個人競技である柔道をなんとなく選んだ。中学校に柔道場はなく、体育館の一角にクッション材の入った畳を並べて練習を行っていた。
3年生の部長はとても強いのだが、練習嫌いでほとんど姿を現さない。だから正直助かっている。部長が部活にきたときは地獄だ。徹底的にしごかれる。部長と乱取りをして負けると、鍛錬という名の罰ゲームが待っている。部長を肩車してスクワットしなければならないのだ。しかも、終わりが見えない。10回で終わると思ったら一呼吸おいて「じゅーいち」と続き、20回で終わると思ったら一呼吸おいて「にじゅーいち」と続く。
鏡の中のマリオネット
あやつる糸を絶ち切って
鏡の中のマリオネット
自分のために踊りな
何度も部活を辞めてしまいたいと思ったが、部長が怖くて辞める勇気は出なかった。部長が引退する夏の大会までの我慢だ。
それまでは、毎日同じような中学校生活が繰り返されていく。
ショートストーリーをつなげて連載中です。毎週金曜日頃投稿予定です。目次に各話のリンクを貼っていますので振り返りにどうぞ。
小牧幸助さんの企画に参加しています。
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