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tetotuti
夜光おみくじ【毎週ショートショートnote】
婿養子の役割は十分に果たしたはずだ。
息子が入社してから10年が経つ。もう社長の座を譲り三代目を継いでもらっても誰も文句は言わないだろう。二代目を継いでから身を粉にして働いてきた。もう引退しても許されるはずだ。
初詣の参拝が済むとおみくじに目がとまった。息子が小さかった頃は毎年、一喜一憂していた。遠い昔のできごとのように感じた。
よし、運勢を占うか。秘めたる思いでおみくじを引いた。
22時。窓を開けると肌を刺すような冷気が部屋に入り込んできた。もうすぐ登山鉄道の最終列車が出発する。汽笛が鳴り響くと車輪の軋む音がして、列車が動き出した。
学生時代に訪れた村にもう一度行って登山鉄道を見たかった。おみくじで大吉が出たら行こうと決意していた。
列車は森の中を走り、向きを変えると急こう配の坂を駆け上っていく。客室が夜光となり森の中で星のように瞬いていた。まるで銀河鉄道のようだ。
汽笛の音に驚き目を瞑った。目を開けると列車の中にいた。
(410文字)
今年もよろしくお願いします。
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