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置換撲滅【毎週ショートショートnote】
いよいよ大学共通テストの日を迎えた。
電車の中は受験生でいっぱいだった。陽菜は左手で吊り革を掴み、右手にスマホを持って、学習アプリで最後の追い込みをしていた。
さっきから気になることがあった。電車が揺れるたびに、お尻に手の甲が当たるのだ。偶然かと思っていたが、意図的に触られている気がする。
電車が大きく揺れた瞬間、手のひらで触られた。チラッと後ろを見ると真面目そうなサラリーマンがニヤついていた。受験当日に抵抗できない受験生を狙った卑劣な痴漢だ。
しかし、陽菜は慌てなかった。
学習アプリを閉じると『痴漢撲滅』アプリを立ち上げた。『置換』ボタンを押すと痴漢犯が嫌がる人を召喚して、自分と入れ替わることができるのだ。それがトラウマとなり、痴漢を撲滅することができる画期的なアプリだ。
陽菜は落ち着いて『置換』ボタンを押した。召喚されたのは、痴漢犯の母親だった。
召喚して置換したオカンに気づかず痴漢している姿を、俯瞰して悪寒が走った。
(410文字)
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