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トナカイ貝【毎週ショートショートnote】

「なんでおまえだけ赤いんだ?」
「変なもんでも食ったんじゃないの?」
「おっかしいのー」

穏やかな海の養殖イカダで育っているアコヤ貝たち。
みんな、それぞれの真珠を抱えています。

みんなの真珠が月の光のような白く美しい輝きを放っているなか、クリスだけが炎のような赤い光を放っていました。

みんなから笑われて、クリスは自分の殻に閉じこもってしまいました。

そんな様子を見守っていた、養殖者の三田がクリスに声をかけました。

「君は特別な存在なんだよ。私が証明してあげる」

三田はクリスの組織を持ち帰ると、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)で物質に含まれている官能基を特定し、液体クロマトグラフィー質量分析計(LC/MS)で定量しました。

結果、クリスにはたくさんの『サンタ酸』が含まれていて、色鮮やかな赤色を発色することがわかりました。

真っ赤な真珠はクリスマスプレゼントとして喜ばれ、クリスは『トナカイ貝』と呼ばれるようになりましたとさ。

(410文字)



我慢できずに、また化学ネタをぶっこんでしまいました…


田原にかさんの企画に参加しています。
毎週ありがとうございます。

#毎週ショートショートnote
#ショートストーリー
#トナカイ貝
#サンタ酸

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