惑星総転居【毎週ショートショートnote】【バッケンスピンオフ】
「なんとか博士号は取得できそうだ」
カイトは大学で水素吸蔵合金に関する研究を行っていた。単位や国際学会発表数は規定をクリアしており、残すは博士論文のみだった。教授に審査の状況を確認したところ、良さそうな感触を得ることができたのだ。
現在の悩みは就職先だった。共同研究先の企業からオファーを頂いていたが、研究を続けたいと思っていたところにマリウス先輩から連絡があった。
「バッケンで研究を続けないか」
バッケンとは『総合化学研究所』の通称で、同じ大学を卒業したマリウス先輩が勤めている。とても魅力的だが、場所が問題だ。
バッケンはスペースコロニーのサイド8にあるのだ。惑星アースの人口爆発対策として、スペースコロニーへの移住が進んでいた。
「いずれエネルギー不足になる。カイトの研究が必ず必要になる」
…
いま振り返るとバッケンに入所したことは正解だった。アースでは核戦争が勃発して、人類はスペースコロニーへ総転居することになったからだ。
(410文字)
現在、連載中の『バッケン』のスピンオフにしてみました。
よろしければ本編もどうぞ。
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