怪文の半分は野菜でできています【毎週ショートショートnote】
投票日前、最後の日曜日。各候補者が街頭演説に火花を散らす中、大臣クラスも応援演説のため全国を奔走していた。
駅前広場には、時の人である大泉大臣が、大勢の聴衆を前にマイクを握っていた。
「政策を実現するには、国会議員の半分以上の賛成が必要なんです。残りの半分が反対だと実現しないんです」
昨年まで続いた連立与党が解消され、与党は別のパートナーを選んだ。新たな政策を国民に問うため、解散総選挙に打って出た。
一方、袂を分かった党は野党第一党と手を組み、一騎打ちの様相を呈してした。
「日本の未来を決める大事な選挙です。前回の投票率が50%ということは、有権者の半分しか投票していないんです」
選挙戦が激化するにつれ、週刊誌やSNSの舌戦もヒートアップしてきた。出所不明な怪文も多く出回っていた。
「皆さん、どうか素直な目で我々を見て頂きたい。決して、怪文に踊らされないでください。怪文の半分は野菜でできています」
聴衆からどよめきが起きた。
(410文字)
「おお!ことばの意味はよくわからんが、とにかくすごい自信だ!」
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