Photo by
kondo_4_dai
トイレットペーパードライバー【毎週ショートショートnote】
日本人初のT1(トイレットペーパーワン)ドライバーの目標は表彰台に立つことだ。
エンジニアが開発したダブル(2枚重ね)は路面へのグリップ力を維持して、クッション性を向上させた。更に今回のレースから1.5倍巻きを採用して、ピット回数を減らす作戦に出た。
日本の技術力と俺のドライビングテクニックをもってすれば、表彰台は夢ではない。
レースの中盤で雨が降り出した。視界が遮られ相手の動きが見づらくなる。耳を頼りに状況を判断する。ペーパーの擦れる音を聴き分けて走るのだ。
「ポチっとな」
エンジニアが開発した『姫音』のスイッチを押した。雨音にまぎれて姿を消し、相手が混乱するはずだ。
「そろそろペーパー交換だな」
ピットに入ると絶望した。クルーが誰もいないのだ。
「くそっ!なぜいつも交換を他人任せにするんだっ!」
コースに戻り、再びピットインのタイミングを図った。
…
「初の表彰台、おめでとうございます」
「ピットに来てくれたオカンのおかげです」
(410文字)
田原にかさんの企画に参加しています。
毎週ありがとうございます。
#毎週ショートショートnote
#ショートストーリー
#トイレットペーパードライバー
いいなと思ったら応援しよう!
サポートして頂いたら有料記事を購入します!