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wataridori225
壁持ち強襲女【毎週ショートショートnote】
「壁持ち強襲女が現れるのを待つだけだな」
この壁さえ越えれば家族に会える。
その日は仕事で東に出張していた。朝、目覚めると壁の建設が始まり、既に部隊が西への道を閉鎖していた。
あれから5年が経った。何人もの人が西への脱出を画策したが壁を越えられずに命を落としたものも多かった。
相棒とは職場で出会った。俺と同じ境遇で一緒に西へ脱出することを誓った。そして協力者から壁持ち強襲女の存在を知ったのだった。
「見張りの交代は0時だ。その一瞬の隙に壁を動かしてすり抜ける。あとは西側の壁に待機している協力者が連れ出してくれるはずだ」
「女はいつ現れるんだ?」
「とにかく信じて待とう」
0時になった。相棒が壁に背を向けてしゃがむと壁の一部を持ち上げた。
「股の下を潜れ」
「どういうことだ」
「俺なんだよ」
「女じゃないのか」
「敵を欺くには味方からだ」
「お前はどうするんだ」
「俺はいい。唯一の家族の母が去年亡くなった」
「…」
「西へ行ったら墓参りを頼む」
(410文字)
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