偏平足和紙【毎週ショートショートnote】
「ミノ、どうした?」
「泣いてたらわからないぞ?」
「エチゼンが…」
コートとケントがミノをなぐさめている。エチゼンに何か言われたらしい。
「何て言ったんだ」
「話してごらん」
「へんぺいそく…」
「偏平足だって?」
「そんなこと言ったのか」
「…うん」
エチゼンは長い繊維が絡み合っていて表面の独特なムラが特徴的だ。対して、ミノは繊維が縦横に整然と絡み合っていて均一で平滑なのが特徴だ。
「エチゼンのやつ、紙の王様って呼ばれていい気になってるな」
「紙幣にも使われて地位が高いからな」
「僕のこと、見下してるんだ…」
「その平らで滑らかな表面がミノのいいところだろ」
「それに俺たちだって偏平足だぜ」
「でも、コートは光沢がきれいで写真を印刷できるし、ケントは画材として画家に好かれているじゃないか」
「ミノの良さは俺たちが保証するよ」
「折り紙つきさ」
「でも…」
コートとケントはいつまでもウジウジしているミノに呆れてしまい、水をぶっかけて白紙に戻した。
(410文字)
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