個人事業主の法人化で節税
個人事業主から法人化(法人設立/法人成り)を検討する際の全体像と、主な手順・判断ポイントを分かりやすくまとめました。
1. 法人化(法人成り)を検討する基準・タイミング
主な判断基準は以下の4点です。
節税メリットが出る水準(所得600万〜800万円前後が目安)個人事業主の所得税(累進課税:最大45%)に対し、法人税率は概ね一定(実効税率約22%〜33%)です。また、自分へ支払う「役員報酬」に対して役員報酬控除(給与所得控除)が適用できるため、課税対象を抑えられます。
消費税の免税期間の活用売上高が1,000万円を超えた(または超えそうな)タイミングで法人化すると、設立から最大2期間(※要件あり)消費税の納税義務が免除・軽減できる場合があります。
取引先からの社会的信用法人化により「法人としか取引しない」大手企業との契約が可能になったり、銀行融資や人材採用で有利になります。
事業承継・相続対策法人の財産や権利(営業権や各種許認可など)は、個人事業の相続に比べて整理・引き継ぎがしやすいというメリットがあります。
2. 株式会社と合同会社(LLC)の選択
設立する法人の形態として多く選ばれるのは株式会社または合同会社です。
3. 法人設立(法人成り)の基本的な流れ
手続きは
「①法人設立の基本事項決定」
「②定款作成・設立登記」
「③個人事業から法人への引き継ぎ・税務届出」
の3ステップで進みます。
ステップ① 基本事項の決定
会社名(商号)、本店所在地、事業目的(許認可関係は文言に注意)
資本金(1円以上から可能ですが、信用や資金繰りを考慮して決定)
役員構成・決算月(事業の繁忙期を避けて設定)
ステップ② 定款作成と登記
実印作成(代表者印・銀行印など)
定款の作成・電子認証(公証役場)
出資金の払い込み(発起人の口座に振込)
設立登記申請(法務局へ申請した日が「会社設立日」になります)
ステップ③ 個人事業の閉鎖と税務・社会保険の届出
税務署・自治体への届出
法人側:「法人設立届出書」「青色申告の承認申請書」「給与支払事務所等の開設届出書」など
個人側:「個人事業の廃業届」「青色申告取りやめ届出書」
社会保険への加入
法人は社長1人のみでも健康保険・厚生年金への加入が義務となります(年金事務所へ届出)。
資産・負債の引き継ぎ(名義変更)
銀行口座、契約関係(不動産・通信・取引先契約)、所有する設備・車両等の法人への移転・名義変更手続きを行います。
4. 注意点・デメリット
事務コスト・固定費の増加赤字であっても発生する法人住民税の均等割(年間約7万円〜)がかかります。また、社会保険料の負担が増加する点や、決算・税務申告の複雑化に伴う税理士費用なども考慮が必要です。
許認可の引き継ぎ(要確認)個人で取得した許認可(建設業、飲食店営業、各種販売業など)は、法人へ自動引き継ぎ(自動移行)できないケースが多く、新規申請や変更手続きが必要です。
事前に管轄官庁への相談が必須です。
法人化は個人事業主の方の話しを聞くと税金対策が大きいように思われます。

