【わかりやすい 高遊外 売茶翁の偈#9】
偶成
性癖風顛世上逹
賣茶生計愜其機
心休冷淡勝甘旨
意足破衫齊錦衣
曉酌井華㴠月荷
暮桃瓦鼎帶雲歸
老身用得這般事
物外逍遥絶是非
性癖の風顛 世上と違う
売茶の生計 其の機に愜(かな)う
心休して 冷淡 甘旨に勝れり
意足りて 破衫 錦衣に斉し
暁に井華を酌んで 月を㴠して荷い
暮に瓦鼎(がてい)を挑(かか)げて 雲を帯びて帰る
老身用い得たり 這般(しゃはん)の事
物外 逍遥(しょうよう) 是非を絶す
愚々成る(たまたまなる)
生まれつきの風変りな生き方は、世間の人々とは相容れないが、茶を売って生計を立てるのが、気持はしっくり合っている。
心が安らかであると、あっさりした味わいがうまい味にすぐれ、気持が満足していると破れ衣も錦の衣と同じ思いである。
夜明けに井戸水を酌み、月影をざぶりと入れて荷つて運び、夕べに素焼きの釜をかついで夕焼け雲と共に帰る。
年老いた身であるが、このような事は行いたえることができる。世俗の外にゆったりと気ままに楽しみ、ことの良し悪しをこえた境地に暮らしてる。
