【わかりやすい 高遊外 売茶翁の偈#8】
處世不知世
學禪不會禪
但將一擔具
茶茗到處煎
到處萴兮無人買
空擁堤藍坐渓邊 咦
何物好事謾描出
一任天下人粲然
盧仝正流兼逹磨宗四十五傳
高遊外自題
売茶翁像賛
世を処するに 世を知らず
禅を学んで 禅を会せず
但だ将に 一つの具を担ぎ
茶茗を 到る処に煎る
到る処に煎るも 人の買うこと無く
空しく提籃を擁(よう)して 渓辺に坐す
咦(い)《笑うべし》
何物かの好事(こうず) 謾(みだ)りに描き出す
天下に一任する人 粲然(さんぜん)たり
盧仝正流兼(ろどうせいりゅうか)ねて逹磨宗四十五傳
高遊外自ら題す
无(む)名録す
世を渡るのに、世の中がわかっていない。禅を学んだが、禅を悟っているわけではない。
只担に、一揃の茶具を担いで、行く先ざきで茶を煎て売る。
到る処で茶を煎るけれど、買う人とて無く、空しく提籃(ていらん)を抱きかかえて、渓の辺に坐っている。笑ものではないか。
何人か物好きの人が、その姿を描き出した。世の中にすべてを任せる人は清らかだ。
唐代茶歌の嚆矢(こうし)、文人茶の祖盧仝を受け継ぎ、兼ねて禅の本流としての達磨宗四十五代。高遊外自ら題する。
