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百合子、台湾人留学生と寿司🍣で交流

休日の東京、上野。
百合子は改札の近くで、少し楽しそうに待っていた。

「お待たせしました!」

現れたのは、先日知り合った台湾人留学生たち。

「じゃあ行こうか」

百合子が連れて行ったのは、観光客向けの店ではなく――
職人が目の前で握る立ち食いの寿司屋。

「いらっしゃいませ」

百合子「英語メニューください」

慣れた様子で受け取り、留学生たちに渡す。

「どれ食べたい?」

少し考えて、百合子は笑う。

「とりあえずサーモン食べる?」

台湾で人気のネタ。

目の前に置かれた握りを、一口。

「ん〜‼️」
「ん!」

言葉にならない反応。

「美味しいです!」

その一言に、百合子はほっとする。

「タコ、いいですか?」

板前が百合子に確認する。

「甘いタレつけてもいいですか?」

百合子「お願いします」

また一口。

「ん〜!ん〜!」

思わず笑ってしまう百合子。

巻物も頼み、3人でシェア。

「エビいいですか?」

大ぶりで新鮮なエビ。

「美味しい!」

留学生たちの表情がどんどん明るくなる。

ふと一人が聞く。

「高階さんの趣味は何ですか?」

百合子、さらっと。

「媽祖かな」

一瞬、空気が止まる。

「え?」という顔の留学生たち。

「他の趣味は?」

百合子「旅行?」

「あーなるほど!」

一気に納得する空気。

(台湾に詳しい理由、そこね)
という表情。

その後、留学生たちが日本の地名の読み方に苦戦していることに気づく百合子。

「ちょっと待ってね」

スマホを取り出し、
LINEのノートにどんどん書いていく。

横浜(よこはま)
鎌倉(かまくら)
江ノ島(えのしま)
川崎(かわさき)
熱海(あたみ)
神戸(こうべ)

「グループLINEのノートに書いたよ」

留学生たちの顔がぱっと明るくなる。

「わぁ!ありがとうございます!」

何度も画面を見返している。

上野の喫茶店で、留学生たちとスマホを囲みながら話している。

留学生が素朴に聞く。

「東京って大きいんですか?」

百合子はすぐにスマホで地図を開く。

「ほら、こんな感じ」

画面には
東京都
の地図。

指でなぞりながら説明する。

「これが東京」

留学生「わぁ…」

少し驚いた顔。

「東京の下は?」

百合子「ここが
神奈川県」

「で、上にある大きいのが
埼玉県」

留学生たちは真剣に見つめる。

百合子は続ける。

「台湾のツアーって、成田空港に着いたらすぐバスで
富士山とか
軽井沢に行くでしょ?」

留学生「あ、はい」

百合子「だから“東京=すごく広い”って思っちゃうんだと思う」

そう言いながら、さらに地図を動かす。

「ほら、ここが
長野県で、こっちが
山梨県」

「東京とは結構離れてるでしょ?」

留学生「ああ…ほんとだ」

少し納得した様子。

百合子はクスッと笑う。

「これ、日本人にも同じことあるのよ」

留学生「え?」

百合子「台北からバスで
九份に行くツアーがよくあるの」

留学生「あ、聞きますね!」

百合子「だから“九份って台北市内にあるんでしょ?”って思う人多いの」

留学生たち、顔を見合わせて笑う。

「ああ〜!」

「それと同じですね!」

百合子も笑う。

「そうそう、距離の感覚って、移動の仕方で変わるのよね」

留学生の一人がしみじみ言う。

「なんか…分かりやすいです」

百合子「よかった」

ただの地図の説明。

でもそこには、
“旅行者の勘違いあるある”を共有する、
ちょっとした共感が生まれていた。
食事の終わり。

「生きてる間に食べたお寿司で一番美味しかったです」

「ありがとうございました」

もう一人も続ける。

「高階さん、すごく優しい」

「またお会いしましょう。これからもよろしくお願いします」

笑顔で手を振って別れる。

百合子はその場で、寿司屋で撮った写真を福原に送った。

すぐに返信。

「百合子さん、今度は寿司で交流してたか」

「しかしこの寿司、美味そうだな!」

「留学生の子たちもいい顔してる」

画面を見て、百合子は少しだけ笑う。

台湾でも、日本でも――
自然に人と繋がっていく。

それが、百合子らしさだった。

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