やさしさは、ちゃんと届いている 第4話 それでも、疑ってしまう夜
それでも、夜になると、
疑ってしまうことがあります。
都合のいい解釈をしているだけではないか、と。
辛かった出来事が、
何度も頭の中でリフレインします。
挨拶をしても無視をされたこと。
不機嫌な、低いトーンで返された声。
「考えすぎだよ」
「勘違いじゃない?」
そう言われても、
自分が感じたことの方が正しい気がして、
心はなかなか静まりません。
やさしさが残っているかもしれない。
遠回りして届いているかもしれない。
そう思えた昼間の自分が、
夜になると、
少し頼りなく見えてくるのです。
もしかしたら、
やさしさではなかったのかもしれない。
ただの自己満足だったのかもしれない。
そう考え始めると、
胸の奥が、
じわじわと冷えていきます。
疑いは、
信じたい気持ちや、
期待したい気持ちがあったから
生まれたものです。
最初から何も期待していなければ、
こんなふうに揺れたりはしなかった。
だから、
疑っている自分を、
どうか責めないでほしいと思うのです。
疑いは、
やさしさを否定したいから
生まれるのではありません。
傷ついた心が、
もう一度傷つかないように、
そっと身構えているだけなのかもしれません。
疑いながらでも、
揺れながらでも、
ここまで来たという事実だけは、
確かに残っています。
やま
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