声かけに学ぶ~救急車で運ばれて
過去、5月に経験したこと。
布団で本を読み、さて寝ようかと電気を消そうとした時、何となく頭痛が始まった。
いつもの片頭痛がきたかと、気構えた時、今度は胸の痛みも感じ始めた。
痛みというより、胸を上から押される、押さえつけられるような感覚で、苦しい。息を吸うのも苦しい。気づくと、額から汗がたらたら出てきた。冷や汗だ。
いろいろと楽な姿勢をとろうと寝返りをうったり、衣服を緩めたりするも、改善されない。少しずつ、我慢できないぐらい苦しくなってきた。
食当たりも考えたが気持ち悪いでもない。水を飲んだりして、気分転換を図ろうとしたが、効果なし。時計を見ると、深夜12時に近い。
救急車を呼ぶことも考えたが、いろいろと迷惑をかける、ここは我慢してやり過ごそうと台所の椅子でうずくまっていた。
しかし、呼吸も苦しくなり、やはりいつもと違う状況。
異常に気付いた家族が救急車を呼んでくれた。
3人の隊員の方が部屋に来た。
うろ覚えではあるが、次のような声かけや動きがあったようだ。
・確認のため、お名前は何ですか?生年月日をお願いします。
今、どんな症状ですか? 煙草を吸いますか?お酒は飲みますか?
家族で、心臓や脳の病気になった方はいますか?・・・
・かかりつけの病院はどこかですか。あれば、お薬手帳や今飲んでいる薬を持ってきてください。・・・などと家族に言っていた。
・別の方は、血圧や体温を測る。脈を測る。心電図を測る器具を取り付ける。所見を記録したり、どこの病院へ搬送するのかの連絡調整。
ほどなく、確認が終わると、救急車への移動。
ここで、本当に事細かく、隊員の方は声をかけてくれた。
「今、体調どうですか?」に始まり、今から、「ここの担架に移しますね」「左手をこちらにあげてください」「1、2の3・・・」「段差があるのでちょっとゆれますよ」
「もう一度、血圧をはかりますね」「取り付けるために、服をあげます。失礼します」
・・・何より、隊員の方の声が落ち着いて、安定しているので、こちらが余計な心配、不安な気持ちを大きくすることはなかった。
苦しさで顔をしかめていたので、目も開けられない状態。周囲の状況をとらえようと耳だけにすごく意識が集中していた。だからこそ、ちょっとした声や音に敏感になっていた。時間が経過したからか、隊員の方の対応に安心したからか、痛み、苦しさも少し、やわらいだような気がしまた。
病院でもお医者さんや看護師さんたちの声だけはよく聞こえた。
消防署の隊員方と同じように、たくさんの声をかけてくれた。
「心電図を測るので、いろいろと器具を取り付けますね」
「点滴を打ちます。アルコール(消毒)で、かぶれたりすることはありますか?」
「ちょっと、ちくっとしますよ」「今から、CTを撮りに部屋を移動します」「もちあげますよ、1,2の3」
「痛みの段階を最大10として、はじめはいくつぐらいですか?今は、いくつぐらいですか?」
私の意識の確認もあるのだろうが、やはり、事前に、今何をしているのか、次に何をするのかの声かけがあるだけで、心の準備ができた。そして、本当に安心できた。
心電図的には、心筋梗塞の予兆を示す数値?データが出ていたようだが、レントゲンやエコーなどの別の検査結果的には異常は見当たらず、痛みなどの症状も落ち着いたので、救急車で移動してから約3時間後に帰宅できた。
看護師さんからは、痛みがもどったら、迷わずすぐ救急車を呼んですぐに病院に来ることと、連休明けすぐに、再検査を受けて詳しく診てもらうことを勧められた。
家族とともに帰宅。
不安はありつつも、その後はゆっくりと眠ることができた。
声のかけかた、言い方、タイミング。
特に状況が分からない時に、不安が大きくなる。
そんな時に、次に何をするのか、何が起こっているのか、大丈夫という言葉だけで、どれだけ救われるか・・・
軽度発達障がいの人の多くが、急な変更や見通しが持てないと、気持ちが落ち着かず、時にパニックになるといいます。
認知症の人も、「違うでしょ!」というような否定的な声かけや「さっき、~したでしょ」というように、「自分には心当たりがない」ことを指摘されると、本人は「覚えていない」「心当たりがない」だけに、不安が大きくなってしまいます。あるいは、自分を責めて心のストレスを膨らませてしまいます。
同じ声をかけるなら、優しさに満ちた言葉を、言い方を、心がけたいとつくづく思いました。
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです
