育休たのしかったなあー|育休日記
「育休たのしかったなあー」
これは、次女が生まれてから取った半年の育休が終わる最後の日、妻がぽつりと言った言葉だ。
子どもたちを寝かしつけたあとだった。
大人だけで夕飯を食べていた。私は缶ビールを飲んでいて、妻はいつものようにノンアルコールのレモンサワーを飲んでいた。
その一言にこの半年の意味が詰まっている気がした。
第一子のときも、私は一か月だけ育休を取った。
でも、あのときは楽しかったという感じではなかった。
夜泣きが激しい時期でもあったし、保育園にも入れていなかったので、妻は四六時中子どもと一緒だった。
精神的にかなり参ってしまっていて、私が会社を休んで子どもと過ごす日を作ることも何度かあった。
あの頃は、夫婦でなんとかやり過ごしていた、という感覚の方が近い。
それに比べると、今回の半年はずいぶん違った。
もちろん、楽なことばかりではない。
子どもが二人いれば、毎日何かしら起きる。思い通りにいかないことの方が多い。
それでも今回は、子どもの成長や家族で過ごす時間を大変だけど楽しいと思える心と体力の余裕があった。
ビールを喉に流し、ふとこの半年を振り返る。
4人でいろんなところへ行った。
近所の公園にも行ったし、保育園の園庭開放にも行った。
少し遠出して、水族館や景色のいい公園にも行った。
遠出した日は、妻が特に楽しそうだった。
子どもたちの写真を撮るのが好きで、今しかない宝ものに手を伸ばすように、夢中でシャッターを切っていた。
そして、私はそういう妻の姿を見ているのが、わりと好きだった。
こうして考えると、私にとってこの半年の育休で一番大きかったのは、家族で過ごす時間を楽しいものとして過ごせたことだと思う。
復職してから2か月が経った。
定時で帰っても、家に着くのは19時くらいになる。長女が起きていれば一緒にお風呂に入り、寝かしつけもできる。
でも、もう寝ている日もある。
そういう日は、長女にも次女にも会えないまま次の日になる。
育休前ならそれを普通だと思っていた。
でも今は少し違う。
半年の育休で、私は家族と過ごす時間の手触りを知ってしまったのだと思う。
最後の日に妻が言った「楽しかった」という一言。
半年という長い休みを取れることは、もう当分ないと思う。
あの日々がもうないのは本当に寂しい。
ただこれから先も家族の時間を大切にしていきたい。
妻の「楽しかった」をまた聞けるように。
そう思いながら、少しぬるくなったビールを飲み干した。
