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我が家のエントランスに見るスパイスの教訓──ツバメはなぜ親子を"解散"するのか?

さあ、そこのみんな!今日も今日とて、ワシ、カレー王がみんなに語りかけるで。ワシにゃ「カレーファンタジスタ」っちゅう異名があるんやけど、能あるカレー王はスプーンを隠すもんや。カレーの味は直接語らへんけど、ワシの言葉には常に深い味わいと探求心が込められとるんやで。

最近、ワシが住んどる集合住宅(通称:ホワイトベース)のエントランスで、ちょっとしたドラマがあったんや。

少し前まで、エントランスはまさに「子育て狂騒曲」の渦中やった。親ツバメが1日に何百回も往復しては、黄色い口をパカッと開けたヒナたちに虫を運んどったんやな。その結果どうなるかと言えば、玄関前はツバメの糞で山盛り状態!……いや、「盛り」言うてもカレーの大盛りはいらんねん。そこだけは普通盛りで頼む。管理人さんが掃除してくれるけど毎日やないから、あっという間に山ができる。

うちの愛犬・トイプードルの「こつぶマスタード」(2024年生まれの元気な女の子や!)が、散歩のたびに落ちてる糞や虫の残骸に興味津々で突撃しようとするもんやから、引き留めるワシらも毎日が知恵比べやったわけや。

で、ある日突然、静寂が訪れた。「あぁ、ついにみんな旅立ってもうたんか…」と胸の奥がぽっかり空いた気分になったんやが、数日後の夕方、エントランスに戻ったら……なんと2羽だけ戻ってきとるやないか!

1羽は巣の中に、もう1羽は少し離れた壁の配電盤ケースの上にちょこんと乗っとる。 あそこ人気なんやな。景色ええんか?ツバメ版タワマン最上階なんか? 「あれ?実家組か?」 「いや、お前ら大学一年生のGWちゃうねん。」 ……実家の米はうまいか。 ……洗濯もしてもらったか。

残りの家族はどこ行ったん? 仲間に置いていかれたんか!?と心配になったワシやけど、調べてみたらツバメの習性っちゅうのは、まさに極上のカレーづくりと同じくらい奥が深かったんや。


日本野鳥の会HP

カレーとツバメの「解散」に見る普遍の理

ツバメのヒナたちは巣立つと、河川敷やヨシ原などに集団ねぐらを形成することが知られている。昼間は飛び回って虫を捕る練習をし、夜は集団で身を守る。で、うちのエントランスにおる2羽は「昼は外で訓練して、夜はやっぱり実家のベッドが快適やから帰ろう」という……実家大好きっ子なんやろか。もちろん、親鳥が休みに帰ってきとる可能性もあるけどな。

そして驚いたのが、ツバメの親子関係のドライさよ!

巣立って1週間もすれば、親鳥は子への給餌をやめ、「もう自分で生きろ」とばかりに独立を促す。あんなに必死に虫を運んでおいて、である。人間で言うたら「今日から仕送り終了や」宣言やな。

一見、冷酷に見えるかもしれへん。しかしな、これこそが過酷な「1万キロの長旅」を生き抜かせるための、親鳥の最大級の愛情なんや!

ツバメの世界は厳しくてな、実は秋の渡りを経て、翌年戻る若鳥は1〜2割程度とも言われとる。多くは若いうちに命を落とす厳しい世界なんや。残酷なようやけど、いつまでも親がエサを与えておったら、自力で虫を捕る技術も、天敵から逃げるスピードも身につかへん。過酷な試練を乗り越えさせるための「あえて突き放すスパイス」なんやな。

カレーで言うたら、いつまでもジャガイモが「ワシ、ルーに守られてます!」とか言うて溶け込んどったらあかんねん。お前はお前のホクホクを貫け!ニンジンはニンジンの甘みで勝負せえ!玉ねぎは……まあ、お前はだいたい全部に馴染むけどな。コミュ力おばけや。

具材が甘えを捨てて素材の味を立たせてこそ、極上のカレーとして完成するんや。

親鳥はあえて子供を試練の海へと放り出す。ガンダムで言えば、シャアみたいに通常の3倍で生き抜く力を授けるための愛教育なんやな!

……って、まあワシも家では娘の頼み事にはデロデロに甘くなって即落城してしまうんやけどな!ワシの親心、甘口ルーより甘いわ!誰が熟カレーの甘口やねん!

神話の国・天竺での記憶と、父のガムテープ救出劇

このツバメたちの姿を見ておると、ワシの故郷・神話の眠る遠い東の国(天竺)の実家での記憶が蘇ってくる。

実家の車庫にも毎年ツバメが巣を作っとったんやが、やっぱり糞公害が凄くてな。オトンが巣の下に糞受けの段ボールを設置したんや。ただ、それをガムテープで固定したもんやから大変や!粘着面を上にして貼ってしもたらしく、飛び慣れない若鳥がガムテープに絡まって、下にポチョンッと落ちてしもた。

粘着剤で羽がくっついて飛べなくなった若鳥。それを見たオトンは、ぬるま湯を少しずつつけながら、ふやかすように慎重にガムテープを剥がしていった。……普段はワシのゲーム機には容赦ないオトンやったのに、この日だけは外科医みたいな手つきやった。

「頼む、飛んでくれ……!」

家族で見守る中、解放された若鳥がバタバタと力強く大空へ飛び立っていったあの瞬間……通常の3倍のスピード・・では飛ばんかったけど、ワシの感動だけは通常の3倍やったで。あの若鳥も、南の島への長旅を乗り越えられたんやろか。

(ちなみにその後、車庫の壁を伝って器用に登ってきたヘビを退治する事件なんかもあって、ツバメは巣を作らなくなってもうたんやけどな……。ヘビのクライミング能力高すぎやろ!フリークライマーのプロか!いやヘビに手足ないやろがい!どこでそのグリップ力覚えてきたんや!)

人生の教訓:別れは「個」が輝くためのスタートライン

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』で、ジョバンニとカムパネルラが命の旅を共にしたように、私たちは人生のどこかで必ず「別れ」を経験する。

あんなに1日に何百回も往復して育てた我が子とスパッと解散するツバメの姿は、切なくもあるが美しくもある。形としての家族は一旦終わっても、生き抜くための力と、親から教わった飛ぶ術はちゃんと受け継がれとるんやから。

ちなみに、南の島へ渡る激務を前にした彼らの休息を見守るワシの優しさ、ココ壱番屋のカツカレーに換算したらおよそ1,500杯分の味わい深さがあると言っても過言やないで!(言い過ぎか? 確実に胃もたれで倒れる量やな!)

さあ、静かで穏やかな、2羽だけの残り少ない「実家時間」。 彼らが無事に大空へ羽ばたけるその日まで、そっと夜の特等席を貸してあげようやないか。

もし来年の春、このホワイトベースのエントランスにやってきて、人間のワシを見ても動じず、真っ先に配電盤の上を陣取るツバメがいたら……ワシは心の中で「おかえり!」と叫ぶつもりや。それは数多の試練をくぐり抜けてきた本物のヒーローやし、ワシの嬉しさも通常の3倍になるからな!

来年もホワイトベースに帰還してきたら、ブライト艦長……もとい、管理人さんもきっと歓迎してくれるやろ。

巣立ちも、カレーも、最後は自分の足で立ってなんぼ。 ……なお娘への甘さは通常の3倍のままである。 せやけど、いつかはちゃんと中辛くらいにはせなあかんな。

……というわけで、今日の小話はここまで!

OM GAM GANAPATAYE NAMAHA!

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