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読書記録①

 わたしはクリープハイプのファンである。ボーカルの尾崎世界観さんが小説を書いているのは知っていたが、未だに読んだことがなかった。クリープハイプのファンを名乗る以上、音楽以外の活動にも触れていきたいという思いから今回、尾崎さんが書いている小説を読んでみることにした。

 初めて読む本は「祐介」にした。理由は単純で尾崎さんが最初に執筆した本だからだ。できれば最初から順番に読んでいきたいと考えている。他にも芥川賞の候補作となった「母影」や「転の声」など読みたい本はたくさんあるが、1冊1冊丁寧に読み進めていきたいと思う。


「祐介」

 「俺は、俺を殴ってやろうと思ったけれど、どう殴っていいのかがわからない。」   
 スーパーでアルバイトをしながら、いつの日かスポットライトを浴びる夢を見る売れないバンドマン。ライブをしても客は数名、メンバーの結束もバラバラ。恋をした相手はピンサロ嬢。  
 どうでもいいセックスや些細な暴力。逆走の果てにみつけた物は……。  人気ロックバンド・クリープハイプの尾崎世界観による、「祐介」が「世界観」になるまでを描いた渾身の初小説。  たったひとりのあなたを救う物語。

 この本は尾崎世界観さんの半自叙伝なのだが、彼がどのように10代~20代の日々を過ごしていたのかが本当に生々しく表現されていて、彼の「世界観」に引き込まれる感覚になった。

 特に、バンドが売れない時代の苦悩や好きな子とのやりとりなど、細部にわたって心情が表現されていたのが良かった。

 この本は話ごとに番号が振られているのだが、わたしが好きなのは9番の話である。9番は彼がスーパーで夜勤のバイトをしているときの話だ。ネタバレになりそうなので詳しくは書かないが、嫌な客が来店した際の話である。いろいろあってその客から「ソーセージ」と呼ばれるに至った経緯が描かれている。本当におもしろくてくすっと笑ってしまう内容であった。

 彼独特の表現が多岐にわたって使われていて彼のファンならぜひ読んでほしい1冊だった。曲を聴いていると出てくるフレーズや言い回しが小説でもちりばめられていて、曲と小説がリンクしていると感じた。

 もちろん、クリープハイプのファンでない方にも読んでほしい1冊だ。バンドマンが小説を書いていると言うとあまり良いイメージを持てないかもしれないが、彼が文学が好きだということがよく伝わってきて、とてもバンドマンが書いているとは思えない内容である。そんな先入観は捨てて「文学」が好きな方にはぜひ読んでもらいたい。


単行本と文庫本

 単行本は、ピンクの表紙のほうで、文庫本がオレンジの表紙のほうである。文庫本には、短編小説の「字慰」も含まれている。わたしは文庫本を購入した。「祐介」も「字慰」も本当に読んで良かったと思える内容であったので文庫本をおすすめしたい。


 以上が「祐介」の紹介である。次の本も既に購入していて今から読むのが楽しみでしょうがない。次回も読んだらnoteに書いていきたいと思うのでよろしくお願いします。


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