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マルポテ・バースを、生きていく――今、ここにある「無限の可能性の宇宙」

「もし、あのとき別の道を選んでいたら……」

誰もが一度はそんなことを考えたことがあるのではないでしょうか。

あの学校に行っていたら。
あの人と離れていなかったら。
あのとき、勇気を出していたら。

別の人生が、どこかにあったかもしれない。

そんな「もしも」の世界を、物理学やSFの世界では
「マルチバース(multiverse)」と呼んでいます。

意味は、「多元宇宙」。
または「無数の並行宇宙」。

この宇宙とは別に、無数の分岐した世界が存在し、
別の自分が、別の選択をして、別の人生を歩んでいる――
という考え方です。

小説や映画、アニメの世界では、よく見かける設定ですよね。

現実の私ではない「もうひとりの自分」が、
別の場所で別の未来を生きている。

――なるほど、それはそれで、ロマンがある。

でも、私は思うのです。

「もしも」を追いかけすぎると、
「今、ここ」にいるこの自分が、
どこか仮の存在のように思えてしまわないか、と。

だったら、私たちにはもうひとつの選択肢があるんじゃないか。

そう。
「マルチ・ポテンシャル・バース」(マルポテ・バース)という、
現実の中に広がる、もう一つの宇宙。


「マルポテ・バース」とは

「マルポテ・バース」とは、私が勝手に名づけた造語です。

言葉のもとになったのは、
「マルチ・ポテンシャライト」(multi-potentialite)という概念。

それは「いくつもの可能性」(マルチ・ポテンシャル)を同時に内包している人を指します。

・趣味が多い
・やりたいことがコロコロ変わる
・知識やスキルが散らかっているように見える

こうした特徴を持つ人は、時に、
「何者にもなれない人」と見られることがあります。

でも本当は、
「“何者にもなれる種”をいくつも持っている人」でもあるのです。

私は、マルチ・ポテンシャライトを単なる「資質」ではなく、
「生き方」だと考えています。

人生で、いくつもの「可能性」(ポテンシャル)を育て、
実現していこうとする人にとって、

「マルポテ・バース」とは、
「自分をフル活用できる挑戦の場」を意味します。

マルチバース(無数の自分が、それぞれ別の宇宙に生きる世界)ではなく、
「ひとつの人生の中で、無数の興味や才能を共存させていく宇宙」

それが、マルポテ・バースです。

たとえば――

🧑‍🔬 科学が好きで、
🧑‍🎤 音楽も好きで、
🧑‍🌾 自然に触れるのも、
🧑‍💻 デジタルをいじるのも大好き。

どれか一つを極めるには、時間が足りない。
どれか一つにしぼると、なにかを失った気がしてしまう……。

でも、ある時、開眼したのです。

「全部、並行してやっていけばいい。
 それが私だ!」
と。

それぞれの「やりたいこと」を、
バラバラの宇宙に分けて生きるんじゃなくて、
全部を同時に、今の自分の中で育てていく。

――自分は、何者にでもなれる!

それって、なんだか、
すごく「現実的なファンタジー」だと思いませんか?


自分の中に宇宙がある

「マルチバース」では、
科学者の自分は科学者として、
バンドマンの自分はバンドマンとして、
それぞれ別の宇宙で生きている。

それも悪くない。

でも、私は「現実的に可能な宇宙」、
「自分の中にある宇宙」を想像します。

🔭 マルチバースは、
  「別の自分がどこかにいる」世界。
🌌 マルポテ・バースは、
  「今の自分の中に、すでに全部ある」世界。

「どれかを捨てる」のではなく、
「どれも、持ち続ける」。

それって、すこし苦しいけど、
ものすごく楽しい。

「やりたいことが多すぎる」って?
上等です。

それだけ、生きることに貪欲になれて、
好奇心を持ち続けることができるって最高じゃないですか。

「宇宙」と聞くと、あまりに広くて、遠くて、
自分とは関係のないもののように感じるかもしれません。

でも、マルポテ・バースは、内なる宇宙です。

外のどこかに広がる星空ではなく、

自分の中に生まれた好奇心、衝動、憧れ。

それらが、星のように光っている世界です。

そして、それぞれがちがう軌道で回りながら、
ときに交差し、ぶつかり、重なって、
あなただけの銀河を形づくっている。

この「内的宇宙」は、整っていないかもしれない。
秩序も、美しさも、多分ない。

でも、たしかにここにある。
誰にも真似できない、あなただけの星図が。

それを自覚すること。
それを育てていくこと。

それが「マルポテ・バースを生きる」ということなのです。


重ね合わせて生きている

私たちは、「スイッチを切り替えるように、役割を変えて生きている」のではありません。

オンとオフ、表と裏、仕事と趣味――
そんなふうに分ける生き方は、どこかで無理が出てきます。

むしろ、私たちマルポテ民は、
いくつもの興味や役割を「重ね合わせたまま」生きているのです。

たとえば、私は「司書」であり、「FP」であり、
「家庭菜園の人」であり、「文章を書く人」であり、
ときには「楽器を演奏する人」でもある。

それぞれの自分が、同時にここにいて、
どれもが「本物の私」なんです。

この状態を、私は「重ね合わせて生きている」と感じています。

これは、量子力学の「重ね合わせ状態」という現象からインスパイアされたもの。

量子は観測されるまで「Aである状態」と「Bである状態」が重なり合ったような形で存在することがあるのです。

もちろん、私たちは「量子」というには大きすぎる存在です。

でも、この「AでもありBでもある」という不思議な現象には、
どこか、マルポテ的な生き方に似たところがあるように思うのです。

その日その日で人格や役割を切り替えているのではなく、
全部が混ざり合いながら、重なり合って生きているという状態。

だから私は、
「本当の自分はどれなのか?」と悩むことを、もうやめました。

全部が私。
全部が、今この瞬間の私をつくっている。

そして、それらの間に生じる「にじみ」や「ゆらぎ」も、
すべて引っくるめて、私のマルポテ・バースなのです。


星座を描いて生きていく

「重ね合わせて生きる」とは言っても、
すべてがただ混ざり合っているだけでは、
宇宙はただのカオスになってしまいます。

だから、私たちは、
内なる宇宙の中に散らばった星々――

すなわち、関心や経験、技術や記憶たちに、
自分だけの線を引いていくのです。

それはまるで、
夜空の星に意味を見出して星座を描くような行為。

同じ空を見ていても、描かれる星座は人それぞれ。

線の引き方、結び方、どの星に注目するかによって、
宇宙は全くちがったかたちを見せてくれる。

マルポテ・バースも、同じです。

たとえば、
「司書としての知識」が「FPとしての教育」に重なり、
「家庭菜園の体験」が「持続可能な暮らし」の軌道を描く。

一見無関係に見える点と点を、意味という線で結び、
ひとつの星座をつくっていく。

それこそが、マルポテ・バースに秩序を与える行為です。

そして、その星座は一度きりでは終わらない。

新しい興味が生まれるたびに、星の数が増え、
そのたびに、星座の形は少しずつ変わっていく。

けれど、それでいい。
それこそが、私たちの宇宙の自然な進化なのだから。

マルポテ・バースとは、
「今・ここ」の話だけではありません。

それは、時間の広がりをもった宇宙でもあります。

子どものころに夢中になった図鑑。
学生時代に憧れた世界。
挫折した日に励まされた言葉。

――それらは、ただの思い出ではなく、
私という宇宙の、かけがえのない星のひとつなのです。

大人になってから得た知識や技術、
日々更新されていくスキルや関心、
すべては、かつての自分とつながっている。

歩いてきた時間は直線ではなく、
星々をつなぐ軌跡のように、ときに戻り、ときに交差し、
ときに隠れて見えなくなったりしながらも、
確かに、私の中で光っているのです。

――つまり、
マルポテ・バースとは、「たくさんの今」だけでなく、
「たくさんのかつて」と、「いくつものこれから」が、
ひとつの宇宙に共存している世界観。

今日の私は、かつての私の積み重ね。
未来の私は、今日の私の延長線上にいる。

どこか遠い星でひとり瞬いているのではなく、
私の時間軸に沿って、ずっとここにいるのです。


宇宙を未来に継承する

しかも――

このマルポテ・バースは、
自分ひとりで完結するものではありません。

たとえば、私が書いた文章や、蒔いた種、
子どもたちに読んだ絵本、
誰かにそっと伝えた言葉、
小さな試み、ささやかな行動。

それらは、見えないところで受け取られ、
やがて別の誰かの中で発芽し、
さらにその先の未来へと引き継がれていく。

私の宇宙のかけらが、
誰かの宇宙の軌道と交わり、
新しい星座となって、つながっていく。

――それは、壮大な継承の物語です。

血のつながりだけではない。

思想も、実践も、価値観も、技術も、
未来をつくるための種子として、
私たちのマルポテ・バースは、手渡されていくのです。

マルチバースが「分岐の宇宙」だとすれば、
マルポテ・バースは、「継承の宇宙」。

私が生きた軌跡が、やがて誰かの道しるべになる。

あなたが今、手にしているものも、
誰かの人生から渡ってきた、遠い銀河の記憶かもしれません。

だから私は信じています。

このマルポテ・バースを生きることは、
未来へと光をつなぐ、静かな旅なのだと。

マルポテ・バースは、どこか遠くの銀河ではなく、
あなたの中に、すでに広がっている宇宙です。

あなたも、自分がやりたいことを、
すべて重ね合わせるように生きていくことができます。

ようこそ、あなた自身のマルポテ・バースへ。

あなたは、自分の中に広がるマルポテ・バースの存在に気づきました。

今日から、あなたの内なる無限の可能性を、自分の手で育て、
未来へと継承していきましょう。


たくさんのnoteの中から、私の記事を見つけて読んでいただき、
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