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書斎派アウトドア司書の冒険読書#6/『トム・ソーヤーの冒険』

暑い夏こそ、読書で「冒険」に出かけましょう!

「夏の冒険読書」の連載では、児童文学の名作たちを、
毎回1冊ずつ配本(紹介)していきます。

▶️バックナンバーは『夏の冒険読書ガイド』マガジンからどうぞ!

配本を届けたい方としては……
・子育てや教育に関わっている方
・読書好きの方/昔、読書が好きだった方
・日々の生活に疲れ、現実逃避したいと思っている方

つまり、これを読んでいる方、ほぼ全員ですね(笑)。

さて、第6回配本としてお届けするのは……

もはや“冒険少年”の代名詞である彼が活躍する作品です。


第6回配本

『トム・ソーヤーの冒険』

マーク・トウェイン(岩波書店)


あまりにも有名なミスター冒険少年、トム・ソーヤーの登場です。

とはいえ、ちゃんと読んだことない、
昔読んだけど忘れちゃった、という方も多いのではないでしょうか。

秘伝中の秘伝「イヤなペンキ塗りを友だちに押しつける方法」から、
無人島での海賊ごっこ、洞窟探検、本物の殺人犯との戦い……など、
面白エピソードがテンコ盛りの贅沢な作品です。

ムリヤリまとめると、
・トムのいたずらがユーモアたっぷりに描かれる前半
・殺人事件を中心に、スリルとサスペンスに満ちた後半

……という感じです。


『旅の絵本』などで有名な絵本作家、安野光雅氏は
『トム・ソーヤーの冒険』に寄せて、

「教科書には絶対ないほんとのおもしろさがあった。
 キザないい方だけど、我が心のふるさと。」

という含蓄深い発言をされています。

アメリカの開拓時代を描いた安野作品『旅の絵本4』は、
この“心のふるさと”から生まれてきたのかも知れませんね。


タイトルに「冒険」と銘打ってはいるものの、
冒険シーンは意外に少ないです。

正確には「トム・ソーヤーの日常と冒険」というべきかも(笑)。

「冒険する話かと思いきや、なかなか冒険しない。
 でも、日常生活も面白い」——

冒険映画『グーニーズ』もそんな感じでした。
なかなか冒険に出ないからこその、中盤以降の盛り上がり。

1冊全部を読み終えたときに、
「冒険したなー!」っていう満足感が、確かにあります。

ということで、「ひと夏の冒険」を夢見る方にとっては、
見逃せない1冊だと思います。


さて、冒頭で紹介した岩波少年文庫版は、石井桃子訳。

いかにもトム・ソーヤーらしい表紙が良いと思いますが、
いつもながら、海外の児童文学には、
どの出版社の誰の翻訳で読むか、という問題がついて回ります。

書店や図書館で現物を見て、好みや読む人の年齢に合わせて、
選ぶことをおすすめします。

大人の方には、Kindle Unlimited対象の、
光文社古典新訳文庫はいかがでしょうか。

主人公が子どもである、子どもでも読める、というだけで、
大人向けの小説よりレベルが低いということはありません。

大人になってから読み返すと、また、印象が違いますよ!

アメリカ人は家族を愛する。
家族以外にむける愛情が残っているとしたら、
ふつう、その愛情はマーク・トウェインにむけられる。
——トーマス・エジソン


さて、あまり知られていないのですが、
トム・ソーヤーが主役を張る作品は全部で3作あり、

①『トム・ソーヤーの冒険』
②『トム・ソーヤーの探検』
③『トム・ソーヤーの探偵』

で、「トム・ソーヤー三部作」となっています。

※トムが助演で出てくる作品もありますが、
 それはまた別途ご紹介します。

③『トム・ソーヤーの探偵』は、
以前、講談社青い鳥文庫から出ていましたが、今は絶版です。

②はさらにレアで、1955年に新潮文庫から、
②『トム・ソーヤーの探検』と③『トム・ソーヤーの探偵』が
セットになった1冊が出ているくらいでしょうか。

絶版ですが、どちらも中古で安く買えそうですし、
図書館の書庫に眠っているかもしれません。

話のタネに、また、読書感想文の賑やかしに、
眠ったお宝を掘り起こしてみる——


これもまた、現代の「冒険」なのです。


さて、今回の「配本」、いかがでしたでしょうか。

「冒険読書」の連載では、これからも、児童文学の名作を、
週1くらいのペースで「配本」していきます。

あなたの心に、冒険の火が灯りますように🔥



<関連note>


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