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なぜ行動は続くのかー健康行動の変容プロセスー

前回、私は自己決定理論をもとに、
なぜ主体性が生まれるのかを整理した。

では次に考えるべきは、
もう一つの問いである。

なぜ、その行動は続くのか。

高専めしの活動に関わった学生は、
活動が終わった後も、自炊を続けたり、
食への関心を持ち続けたりしている。

これは、単なる一時的な変化ではない。

行動が「続く」ということは、
そこに何らかの構造があるはずである。

ここで重要になるのが、
行動変容のプロセスという視点である。

人の行動は、
一度のきっかけで変わるわけではない。

小さな経験の積み重ねによって、
徐々に変化し、やがて定着していく。

高専めしの実践を振り返ると、
そこにはいくつかの段階が見えてくる。

まず、「関わる」という段階がある。

なんとなく参加する、誘われて関わる。
ここではまだ、主体性は強くない。

次に、「やってみる」という段階がある。

記事を書く、料理を作る、誰かに伝える。
この中で、小さな成功体験が生まれる。

そして、「意味づける」という段階に進む。

自分の行動が誰かの役に立った、
自分の生活が少し変わった、という実感。

ここで初めて、行動に意味が生まれる。

最後に、「続ける」という段階に至る。

これは義務ではなく、
自分の生活の一部として行動が定着した状態である。

このプロセスの中で重要なのは、
「意味づけ」であると私は考えている。

人は、意味を感じた行動を繰り返す。

逆に、意味を感じられない行動は、続かない。

高専めしの実践では、
学生が自分の経験を通して意味を見出している。

誰かに届ける経験、
仲間と関わる経験、
自分の変化に気づく経験。

これらが重なることで、
行動は「やらされるもの」から
「続けたいもの」へと変化していく。

ここで、前回の自己決定理論とつながる。

自律性・有能感・関係性が満たされることで、
行動は内発的なものになる。

そして、その内発的な行動が、
意味づけを通して定着していく。

つまり、

主体性の形成と、行動の継続は、
別の現象ではなく、連続したプロセスである。

この視点で見ると、
健康教育の役割も変わってくる。

単に知識を伝えるのではなく、
行動が意味を持ち、続いていくような
経験の設計が求められる。

高専めしの実践は、
その一つの形を示している。

これまで私は、
学生の変化を「結果」として見ていた。

しかし今は、
その変化がどのように生まれ、
どのように続いていくのかという「過程」に
注目するようになった。

この過程を明らかにすることが、
実践をモデルとして広げるための鍵になる。

次回は、この一連のプロセスを
「モデル」としてどのように整理できるのか、

さらに構造化していきたい。


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