⑨ 大切な家族を見送った日
こんな気持ちでnoteを書く日が、こんなに早く来るなんて思っていませんでした。
飼い始めた当初、娘には猫アレルギーがありました。
それでも私たち家族はみんな猫が大好きで、「どうにか一緒に暮らせる方法はないかな」そんなことをずっと考えていました。
そして出会えたのが、この子でした。
短毛の猫だったこともあり、娘のアレルギーはほとんど出ませんでした。
あの時この子に出会えたことは、今思えば本当に奇跡みたいな出来事だったと思います。
ペットショップでは、「成猫になっても3キロくらいですね」「寿命は10年くらいですかね」そう説明を受けました。
当時の私は、10年という時間ですらとても長く感じていました。
“これから10年も一緒にいられるんだ”
ただそれだけで、本当に嬉しかったのを今でも覚えています。
でも実際には、その子は14歳7ヶ月まで生きてくれました。
気づけば、私たち夫婦の人生の中心には、いつもこの子がいました。
朝起きれば当たり前のようにいて、帰宅すれば足元に来て、疲れている日はそっと隣に座ってくれて、何気ない毎日の全部に、この子がいました。
だからこそ、亡くなった現実を、今もまだ完全には受け止めきれていません。
亡くなった次の日、火葬をしなければいけませんでした。
でも悲しむ暇もなく、現実はどんどん進んでいきます。
どこにお願いするのか。どう見送るのか。何を準備するのか。
感情が追いつかないまま、ひとつずつ決めていかなければいけませんでした。
正直、何を選ぶのが正解なのかもわかりませんでした。
ただひとつだけ思ったのは、「絶対に後悔したくない」ということでした。
大切な家族だからこそ、最後までちゃんと見送りたかった。
だから私たちは、個別火葬を選びました。
合同火葬ではなく、この子だけを最後まで見送れる方法を選びました。
お花を添えて、最後の時間をゆっくり過ごして、立ち会いをして、自分たちの手でお骨を拾う。
そのひとつひとつが、本当に大切な時間でした。
今回担当してくださった女性の方が、本当に優しい方でした。
私たちの話をたくさん聞いてくれて、「それだけ愛されて幸せな子ですね」と何度も声をかけてくれて。
途中、その方自身も少し涙ぐんでいるように見えた瞬間がありました。
その姿を見た時、「ああ、この方にお願いしてよかった」と心から思いました。
最後、火葬の前に抱きしめた時、私は「ありがとう」しか言えませんでした。
もっと何か言葉があると思っていました。
でも実際は、ありがとう、ありがとう、本当にありがとう。
それしか出てきませんでした。
すると娘から、ボイスメッセージが送られてきました。
その声を聞いた瞬間、私も妻も、それまで必死にこらえていた感情が一気に溢れました。
涙が止まりませんでした。
家族みんな、この子に支えられて生きてきたんだなと、その時あらためて気づかされました。
個別火葬だったからなのか、返骨も本当に丁寧でした。
今は自宅に骨壺を置いています。
さらに、小さなカプセルにも遺骨を入れて、身につけています。
正直、それで悲しみが消えるわけではありません。
今でも寂しいです。ふとした瞬間に涙が出ます。
家の中を見ても、「あ、ここで寝てたな」「ここでよく待ってたな」そんなことばかり思い出します。
でも、少しだけ不思議なんです。
姿は見えなくなったのに、“まだ一緒にいる感覚”があるんです。
それが今の私たち夫婦にとって、大きな心の支えになっています。
ペットロスは、「時間が解決する」とよく言われます。
でも私は、“忘れること”が解決だとは思いません。
たくさん悲しんで、たくさん思い出して、たくさん感謝すること。
それが少しずつ、「ちゃんと愛せた」という気持ちにつながっていくんじゃないかと思っています。
この子は、私たちに本当にたくさんのものをくれました。
笑顔も、癒しも、会話も、家族の時間も。
そして、「命を預かる」という大切さも教えてくれました。
だから何度「ありがとう」と言っても足りません。
本当に、本当にありがとう。
そして今回のお別れを通して、改めて思いました。
命を迎えるということは、最後まで責任を持つということ。
それは簡単なことではありません。
近年は、保護猫を家族として迎える方も増えてきました。
とても素敵なことだと思います。
一方で、捨て猫や不適切な飼育など、悲しい現実がまだなくなっていないのも事実です。
だからこそ、一人ひとりが「命と暮らす責任」をもっと真剣に考えていかなければいけないと思います。
もしまたいつか、新しい出会いがあるなら。
その時も、今回と同じように、いや、それ以上に、たくさんの愛情を注いであげたい。
まだまだ寂しさは消えません。
きっとこれからも、急に思い出して泣く日があると思います。
でも、それだけ大切な存在だったということなんですよね。
約14歳7ヶ月。
長いようで、一瞬でした。
うちに来てくれて、本当にありがとう。
家族になってくれて、ありがとう。
またいつか会えたら、その時は、またいっぱい抱きしめたいです。
