あの頃、日焼け止めを塗る男子は笑われた。でも今は違う。
私は小学生の頃はスキーや野球、中学・高校ではサッカー、社会人になってからはスノーボードやテニスなど、外で行うスポーツをずっと続けてきました。
そのため、中学生の頃から日焼け止めを塗ることを習慣にしていました。
でも、今とは時代が違います。
当時は、男子が日焼け止めを塗っているだけで笑われることがありました。
「男なのに。」
「女じゃないんだから。」
そんな言葉を言われたこともあります。
少し白浮きしているだけでからかわれることもあり、今思えば本当に時代を感じます。
でも、大人になってから知ったことがあります。
男性の肌は女性より皮膚が厚い一方で、紫外線対策をする人が少ない傾向があります。
そのため、長年紫外線を浴び続けることで、シミやシワなどの「光老化」が目立ちやすくなる人も少なくありません。
紫外線によるシミやそばかす、肌のハリの低下、シワなどの光老化は、男女問わず年齢を重ねるほど気になるものです。
紫外線には、主に「UVA」と「UVB」の2種類があります。
UVAは肌の奥深くまで届き、シワやたるみ、ハリの低下など、光老化の大きな原因になるといわれています。
しかもUVAは、晴れた日だけではありません。
曇りの日でも地上に届き、窓ガラスを通り抜ける性質があるため、通勤や車の運転、窓際での仕事など、普段の生活の中でも少しずつ肌へ影響を与えます。
若い頃は気にならなくても、その積み重ねが5年後、10年後、あるいは数十年後に「なんだか老けたな」と感じる原因になることもあります。
一方、UVBは肌表面への影響が強く、日焼けによる赤みや炎症の原因になります。
子どもの頃や学生時代、部活動やスポーツで真っ黒に日焼けした経験がある人も多いと思います。
当時は「日焼けした肌は健康的」「真っ黒な方がかっこいい」という価値観もありました。
私自身もそうでした。
でも、紫外線によるダメージは、その場で終わるものではありません。
炎症が治まっても、肌への影響は少しずつ蓄積され、年月を経てシミやシワとして現れることがあります。
特に私たちの世代の男性は、「日焼け止めは女性が使うもの」というイメージが強く、紫外線対策をする習慣がほとんどありませんでした。
その結果、年齢を重ねてからシミが増えたり、実年齢より老けて見えてしまったりする人も少なくありません。
シミは一度できてしまうと、完全に消すことは簡単ではありません。
だからこそ、若いうちから紫外線対策をしておくことには、大きな意味があるのだと思います。
もちろん、女性が日焼けしないというわけではありません。
肌質や遺伝、生活環境、屋外で過ごす時間などによって個人差はありますが、女性は日焼け止めや化粧品、日傘などで紫外線対策をしている人が多いため、結果として「焼けにくく見える」こともあります。
そう考えると、中学生の頃から日焼け止めを塗っていた自分は、間違っていなかったんだと思えるようになりました。
今では、若い男性の美意識は本当に高くなったと感じます。
男性が化粧品のCMに出演することも珍しくありませんし、「スキンケア」「化粧水」「乳液」という言葉にも抵抗がない時代になりました。
以前、妻の買い物に付き合ってドラッグストアへ行ったとき、店員さんがこんな話をしてくれました。
「最近は高校生の男の子が、アルバイト代が入ったからって化粧水や乳液を買いに来るんですよ。」
その話を聞いたとき、「時代は変わったなぁ」と素直に思いました。
私が学生だった頃には考えられない光景です。
もし今の時代に生まれていたら、日焼け止めを塗っていても笑われることはなかったのかもしれません。
今でも私は、仕事の日も休日も必ず日焼け止めを塗り、帽子をかぶるようにしています。
ちなみに、私が特別なスキンケアをしているわけではありません。
洗顔は市販の洗顔用石鹸を使い、洗顔後はクリームで保湿する程度です。
高価な化粧品を使っているわけでもありません。
私自身、若い頃から美容に詳しかったわけでも、美容に興味があったわけでもありません。
ただ、中学生の頃から日焼け止めを塗る習慣だけは続けてきました。
その積み重ねのおかげなのか、50代を過ぎた今でも、大きく目立つようなシミはほとんどありません。
もちろん、これは私自身の経験であり、肌質や遺伝、生活環境によって個人差があります。
誰もが同じ結果になるとは限りません。
それでも、毎日の小さな習慣を長く続けることには、大きな意味があるのだと感じています。
男性は女性より皮脂の分泌量が多い傾向があるため、顔のベタつきが気になる人も少なくありません。
そのため、「しっかり洗った方がいい」と思いがちですが、洗浄力の強いボディソープなどで顔まで洗うと、肌に必要な皮脂まで落としてしまい、乾燥しやすくなることがあります。
乾燥すると、肌は不足したうるおいを補おうとして、かえって皮脂を多く分泌することもあるといわれています。
そのため、私は顔は洗顔用の石鹸で洗い、洗顔後は保湿するようにしています。
難しいことをしているわけではありません。
自分に合った方法を、無理なく続けているだけです。
最近では、男性向けのスキンケア用品も数多く販売されています。
ジェルタイプやローションタイプの日焼け止めはベタつきが少なく、昔のように白く目立つものも少なくなりました。
また、洗顔料で落とせるタイプや、化粧水・乳液・UVケアが一つになったオールインワンの商品もあり、以前よりずっと手軽に紫外線対策ができるようになっています。
日焼け止めにも「SPF」と「PA」という表示があります。
SPFは主にUVBを防ぐ効果、PAはUVAを防ぐ効果の目安です。
屋外で長時間スポーツやレジャーを楽しむ日と、通勤や買い物が中心の日とでは、必要な性能も変わります。
大切なのは、「一番強いもの」を選ぶことではなく、自分の生活に合ったものを毎日続けて使うことだと思います。
振り返ってみると、私が続けてこられた理由も、「頑張っていた」からではありません。
習慣になっていたからです。
歯を磨くように、家を出る前に日焼け止めを塗る。
それを何十年も繰り返してきただけです。
だからこそ今、「続けてきて本当に良かった」と心から思っています。
最近では、全国各地の小学校で紫外線対策を健康教育の一環として取り入れる学校も増えてきました。
テレビでも、登校前や体育の授業前に日焼け止めを塗ったり、紫外線について学んだりする様子を見かけるようになりました。
帽子の着用や水分補給、日陰の利用とあわせて、暑さ対策や熱中症対策として紫外線対策を指導する学校も増えています。
また、以前は女性のイメージが強かった日傘も、今では男性が使うことが珍しくなくなってきました。
特に小学生から大学生くらいの世代では、日傘を「美容」のためではなく、「暑さ対策」や「熱中症対策」として使う感覚が広がっています。
直射日光を避けることで体感温度が下がり、体への負担を軽減できることも広く知られるようになり、男性向けの日傘も増えてきました。
こうした変化を見ていると、本当に時代は変わったんだと感じます。
一方で、毎年のように報道される部活動中の熱中症事故には、胸が痛みます。
部活動は、子どもたちが仲間とともに成長する大切な場所です。
だからこそ、熱中症で命を落としたり、重大な事故が起きたりするニュースを見るたびに、とても悔しい気持ちになります。
熱中症は、暑さ指数(WBGT)を確認し、こまめな水分・塩分補給や十分な休憩を取り、必要に応じて活動時間を変更したり、中止したりすることで、ある程度予防できる事故でもあります。
また、強い日差しを避けることは、日焼けを防ぐだけではありません。
体温の上昇を抑え、体への負担を軽減し、熱中症のリスクを下げることにもつながります。
近年の夏は、私たちが子どもの頃とは比べものにならないほど暑くなりました。
「昔はこれくらい平気だった。」
そんな経験だけでは、安全を守れない時代になっています。
だからこそ、指導者だけではなく、生徒自身も「無理をしない」「異変を感じたらすぐに伝える」という意識を持つことが大切です。
部活動で努力することは、本当に素晴らしいことです。
でも、命や健康より優先される練習はありません。
どうか、悲しい事故が一件でも減ってほしいと心から願っています。
そして今、改めて思うことがあります。
あの頃、日焼け止めを塗るだけで笑われた時代がありました。
でも今では、男の子が化粧水を買い、日傘をさし、小学校では紫外線対策を学ぶ時代になりました。
時代が変わった今だからこそ、あの頃の自分がやっていたことは間違っていなかったんだと、ようやく思えるようになりました。
日焼け止めは、格好つけるためのものでも、美容だけのものでもありません。
未来の自分の肌を守り、健康を守るためのものです。
だから私は、これからも当たり前のように日焼け止めを塗り続けます。
10年後、20年後の自分のために。
そして、今の子どもたちには、「男なのに日焼け止めなんて」と笑われる時代ではなく、「自分の体を守るために当たり前のこと」と思える時代であってほしい。
紫外線対策も、熱中症対策も、決して格好悪いことではありません。
自分の体を大切にすることは、自分の未来を大切にすることでもあります。
時代は変わりました。
あの頃、日焼け止めを塗る男子は笑われました。
でも今は違います。
日焼け止めを塗ることも、帽子をかぶることも、日傘を使うことも、自分の体を守るための、ごく当たり前の行動として受け入れられるようになりました。
その変化は、美容意識が高くなったというだけではありません。
「自分の健康を守ること」が、性別に関係なく大切だと考えられるようになった証なのだと思います。
私が中学生の頃、笑われながらも続けていた日焼け止め。
あの頃の自分に、今ならこう言ってあげたいです。
「その習慣は、きっと未来の自分を助けてくれる。」
そして、これから大人になっていく子どもたちにも伝えたいと思います。
紫外線対策も、熱中症対策も、自分の体を守ることは決して格好悪いことではありません。
未来の自分のために、今日できることを続けていく。
そんな当たり前の習慣が、10年後、20年後の自分を守ってくれるのだと、私は信じています。
