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『大丈夫』という言葉の奥にあるもの

未来のためにできることは何だろう。

そう考えた時、私が思い浮かべたのは、世界を変えるような大きな行動ではありませんでした。

それは、一番近くにいる大切な人の変化に気づくことです。

ある時から、妻との会話の中で、体調の変化を感じるようになりました。

「今日は頭痛がひどくて、痛み止めを飲みながら仕事をしていたよ」

「朝は大丈夫だったのに、急に汗が出てきて大変だった」

妻は何気なく話します。

でも、その言葉の奥には、本人にしか分からないつらさがあるのだと思いました。

それでも妻は「大丈夫」と言います。

本当に大丈夫なのだろうか。
家族に心配をかけないように、無理をしているだけなのではないか。

以前の私は、更年期について深く知りませんでした。

私の知り合いにも、更年期の症状で病院に通っている男性がいます。男性にも更年期はあります。

それでも私は、生活していく中で、更年期は女性が向き合う可能性の高いものだと認識していました。

だからこそ、そのつらさを理解しようとすることは、男性にとって大切なのだと思うようになりました。

私は女性ではありません。

だから「つらさは分かるよ」と簡単には言えません。

でも、分からないからこそ、知ろうとすることはできます。

そこで私が始めたのは料理でした。

レシピを見ながら夕食を作り、時間がある日はコーヒーを淹れる。

料理には自信がありません。

だから、つい聞いてしまいます。

「美味しいかい?」

妻は笑いながら、

「さっきも聞いたよ」

と答えます。

その何気ないやり取りが、私には「ありがとう」と言ってもらえているようで、嬉しい時間になりました。

振り返ると、私は妻を支えているつもりでいました。

でも本当は、これまで何度も妻に支えてもらっていたのだと思います。

スマートフォンを見る時間を少し減らす。
料理をする。
家事をする。

特別なことではありません。

でも、小さな思いやりの積み重ねが、家族の温かさをつくっていくのだと思います。

未来を変える取り組みは、大きな活動だけではありません。

誰かの変化に気づくこと。
相手の立場になって考えること。
そして、一番近くにいる人を大切にすること。

妻の「大丈夫」は、ただの返事ではありませんでした。

これから先も、その言葉の奥にある気持ちに気づける人でいたい。

未来のためにできること。

それは、今日そばにいる大切な人へ、小さな優しさを届けることから始まるのかもしれません。

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