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スイス🇨🇭で結婚するまで③

移民局から届いた14の質問

私が日本で結婚のための書類を集めている頃、スイスではフローのもとに、チューリッヒ州の移民局から14項目もの質問と提出書類のリストが届いていました。

委任状、私の犯罪経歴証明書や離婚証明書。さらに彼の給与明細や債務状況まで。彼が私の住む場所を提供できるのか、私を養うことのできる収入や貯蓄があるかのチェックです。

そして、ここからの質問がすごい。

・「二人はいつ、どこで、どのように知り合ったのか」
・「これまでどのように関係を続けてきたのか」
・「一緒にどこへ旅行したのか」
・「最初に結婚について話したのはどちらか」
・「何語で会話しているのか」

そして最後には、

・「なぜ離婚成立から、わずか8日後に新しい女性との結婚準備を申請したのか」

そんなことまで聞くの?

でも、質問以上に私を驚かせたのが、フローの回答でした。

1989年、アメリカを走るグレイハウンドバス(長距離夜行バス)で出会った.....
その時に、「眠るなら僕の肩に頭を乗せていいよと言ったら、彼女は喜んでそうした」…….

“えーー、ちょっと待って。確かに心の中でそう思いました。でも、それ要るかな?「喜んで」まで移民局に報告しなくてもよくない?なんか、私が軽々しく思われるじゃない?私にも一応、プライドというものがあります。”

その後も、文通、再会、家族との交流、旅行、合唱、音楽、散歩、私が彼の会社の社員食堂で一緒にランチしていることまで、実に細かく説明しています。

しかも、書くだけでは終わりません。
彼が書いたことにはそれぞれ全ての証拠を貼り付けなくてはなりません。

二人の交際や旅行については、写真、航空券、メールなど、実際にそうだったことを裏付ける資料が求められます。

そこで登場したのが、35年以上前の私たちの手紙。実は私たちは、昔お互いからもらった手紙を、今まで全部持っています。人生、何が役に立つかわかりません。

“それにしてもフロー、ちょっと必要以上に答えすぎじゃない?私は「テストでは聞かれたことにきちんと答えればいい」と教えられてきました。でも彼はどうやら「疑われるくらいなら、全部説明して120パーセントの回答をする」と思うタイプらしい。”

ドイツからスイスに移り住んだ彼自身、外国人としていろいろな行政手続きを経験してきたからなのか、移民局にはやたら慎重です。
これでもか、これでもか、と言わんばかりに聞かれてもないことを、まあつらつらと…..

そして最後の質問
・「なぜ離婚成立から、わずか8日後に新しい女性との結婚準備を申請したのか」
への回答。

前の結婚は2023年にはすでに終わっており、離婚成立は長く続いた手続きの形式的な終了にすぎない、と説明したあと、

「私の心は、2023年10月31日から千尋(私の仮名)のものです」

と書いていました。

“……ううん微妙……それも移民局に必要だったのかは、やっぱり謎です。”

9ページにもわたる回答を読みながら、私は少し笑って、そして、恥ずかしくなりました。
必要以上に一生懸命で、細かくて、ときどき妙にロマンチック。

なんともフローらしい。


今日からフローが日本に来ます。五週間の滞在です。
“5週間も休んだら、日本なら、戻った時には席はないでしょうよ”

私たちは京都、東京、和歌山、広島あたりに出没予定です。
私たちはペアの木製のお数珠のようなブレスレットをしています。
もし見かけたら声をかけてくださいね。


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