何でも願いが叶うノート
引き寄せの記事の中に入れようと思った創作ですが、長くなるのと、読みたい人だけが見ればいいと思い、別に書いておきます。
フィクションです。
ある日、洋子は古くからの友人である久美に、呼び出された。
久美は独身貴族で、好きなことをやって自由に生きているから、いつも、自分のペースでひとを呼び出す。
でも、会ってみると、洋子の知らない世界の話が聞けたり、何よりも生き生きとしている久美のエネルギーが、洋子のエネルギーも上げてくれる気がするので、忙しくてもできるだけ予定を合わせてしまうのである。
「今日はね、面白いものを持ってきたよ。」
そういって、久美は少し汚れのある、使い古されたノートをバッグから取り出した。
「これね。なんでも願いが叶うノートなんだ。」
にわかには信じがたいことを言う。
「願い事は一つしか書けないよ。願った願い事は消えちゃうから、ノートを見たって何もない。もちろん、願い事が永遠に叶うようになりますように、なんてズルもだめ。きちんと、願いを一つだけ書くんだ。そして叶ったら、他の人に譲らなければならないの。」
久美には兄弟姉妹はいない。ご両親も久美が若い頃に他界されている。
だから、古くからの親友の洋子に譲ってくれるのであろう。
洋子はそれを持ち帰って、数日、あれこれ考えてから
「1億円の臨時収入が入る」
と、書いた。
数日後、洋子は突然の体調不良で救急搬送された。
それまで全く自覚症状がなかったのだが、大きな脳腫瘍が見つかった。
すぐに手術となった。
これを読んでいる方は、もう、おわかりだろう。
癌などの重病と診断された時の保険料。
高先端技術を使う手術。
入院。
全身麻痺の後遺症に対する見舞金。
・・・・・そして、一年後、洋子はこの世を去った。
入院から死亡までの保険の合計は、1億円だった。
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