時間がない、急いで書くね

彼氏くんへ

前略
お腹を休めている最中にこの手紙を拵えています。今日はどうしても外せない用事(オーディション音声の収録)があるので、手短にまとめます。

今週の朝ドラ舞いあがれ、チェックしてますか?
自称・梅津貴司ファンクラブ第一号(秋月史子)の女の子、控えめに言ってヤバい雰囲気出てますよね。
似たような経験は私もあるので、どうしても貴司くんに感情移入してしまいます。俗物編集者が意外と有能っぽい動きしているのも今後どんな感じに影響するのか気になるところです。

「ファンのあり方」についてそれなりに思うことがあって。
曲がりなりにも私、若干ファンいるんですよ。「どういう選択肢を選ぼうが僕は虹倉さんを応援しています♪」と言われることもありました。応援コメントをいただくことはすごく嬉しいんです。励みになります。
でも…今日の朝ドラを見て、思ったんです。

「視界を狭める人的要因って、案外ファンなのかもしれない」と。

これは「ファンがうざったい」とかではなく、ファンが私自身を神格化して「歯に衣着せぬ物言いに定評がある女流クリエイター」という像を知らない間に作っている可能性があるからです。
言っておきますが、私は歯に衣着せぬ物言いをする自分そのものに疲弊しきっていますしましてや勝手に想像を作ってくれとも頼んでいません。
私は一人の人間ですし、特別な才など持ってはいません。

「物書き」でもなく「ナレーター」でもない、なんなら「虹倉きり」としてではなく「本名の私」を見てくれる存在がどんなにありがたいことか。そして、そのままの私を包み込んでくれる優しさが―とにかく愛おしい。
「虹倉きり」でいるのも疲れるじゃないですか。せめて一緒にいるときはお互いそのままでいましょうよ。
なんたって、朝ドラでいう舞ちゃんポジションはあなたなんだから。悪態付くけど本当は信頼しています。いつも支えてくれてありがとうね。

草々

この記事は山根あきらさん主宰企画「#ほしかったラブレター」参加作品です。

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