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6月30日 妄想日報「うたかたの恋」

8:48出勤。
このところ、自らの「婚活」に早くも息切れを見せるテルさん。先日も「街コン」なるものに参加したところ、同じく婚活中の男性と連絡先を交換するだけの首尾に終わったそうで。
「でも、そのヒトすごくイイかたで意気投合しちゃって!彼のほうでも、いっそ独身の従姉妹さんをボクに紹介したい、なんて言ってくれてるんですよ」
そこで、その彼ルドルフさんにも厚意のお返しをしたいがため、周りの皆さんドナタか良い女性をご推薦くださいとの打診
「言っちゃアなんですが、そのおウチ、けっこう良い家柄みたいですヨ!まあ、ただ勢力拡大のため、政略で近親婚を繰り返してきたりしたせいか、遺伝的に、ちょびっとだけ…その、ブ男さんブ女さんが多いらしくて」
との重要事項説明付きで示されたお写真のルドルフさんのお顔にも
「へー。…なんか、いい人そう」というお茶ニゴシの言葉を出すのがやっと。
これにはキリさんも
「ブ男ブ女かあ…正直お顔のほうは大事よね。わたしならダメ!ブスはダメ!モシこれ子供を産むことまで考慮するなら、キレイごとじゃ済まされませんから。ハイ」
「それに、勢力拡大、政略結婚…キナ臭くて気になる。わたしならイヤ!乱暴なのはイヤ!あんまり暴力的な人たちとのご縁を親しい誰かにお奨めはできないなあ」と同じくユミさんも消極的。
テルさんはすっかり肩を落とし
「やっぱりそうですよねえ。…それに、おそらくルドルフさんの従姉妹さんのお顔も…ハア。ルドルフさんの顔面がアノ程度じゃ、どうせ期待するだけムダか」とやたらと失礼きわまりない
「でも、ルドルフさんって、いい時計しててクロムハーツとかゴツゴツつけてて。財布もカバンもハイブラ!ほんとお金あるぞーって雰囲気。名門の、なんだっけかなあ?そう、ハプスブルグ家ってトコの大公さんなんですよ」
そう話した刹那、キリさんとユミさんの時空に、まるで世界線か何かの重要な線がグリッと音を立てて捩れる前兆かのように大きな沈黙が訪れた。しかし、テルさんはソンナことには無頓着に
「それに、ルドルフさんはすっごく純情なトコロがあるんですよ。過去に、恋人のマリーさんだかって人と結ばれたくて、父親の反対やローマ教皇の反対を押し切って街から脱出。マリーさんと二人で拳銃自殺の約束!心中しようって話にまでなったんですから!」
ソノ話を明らかに最後まで聞かず、もう途中からイヨイヨ浮き足だっていたキリさんは
「いい!ルドルフさんいいよ!男らしい!あの名家ハプスブルグの…いや!ハプネス、プルグ?へへ。わたし、よくわかんないけどサ!
アンタその従姉妹さんにきめちゃいなよ!いい血筋だあ!にんげん、ハートがあれば顔なんてどうにでもなるんだよ!ねえ?ユミちゃん!」
「ほんとほんと!ルドルフさん素敵じゃない⁈とっても情熱的!だって名門ハプスブルグのおん、いや!ハピネス、ブログ?かナンかのオン曹司、ナノかしら?あはは。わたしも全然ピンとキテないんだケド!
紹介するよ!ぜんぜん誰かイイヒト紹介する!にんげん、多少荒っぽくてもココゾってときの行動力だわよ!ねえ?キリさん!」
と、まるでそろって二人とも、朝から座っている『CRハプスブルグ物語』の台で、ようやくの初当たりを迎えたパチンカー・カップルそのままの血走った目を並べていた。

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