妄想日報 4月24日「天文対話」
8:47出勤。
経理のガリレオさんは趣味の豊かな人だ。この前の休日には、なんと、望遠鏡に自ら改良を加えたのだと言う。
ご本人は、「まあまあ、老いの手習いってやつですよ」とあくまで謙虚。
おまけに、その望遠鏡をのぞいた観測の成果の記録もつけている。その模様を『note』に投稿までしているそうだ。
話を聞いたナオさんが、たちまちその記事を見つけてきた。
「出てきた出てきた。『【星界の報告】おじさん』これじゃない?」
お手製の望遠鏡の体験記。
皆でさっそく読んでみることにする。
〈のぞくと、はるか遠くの平原に謎めいた気球が浮かんでいた。わたしは目を凝らし、一心にピントを合わせる。
つづいて、シュッ!という音とともに、弾丸のような空気が目に飛び込んできた。とても恐ろしい。しかし、決して目を閉じぬよう心を奮う。逃げるな!逃げるな!
気がつけば、赤い背景に描かれた二重丸、緑色の背景に描かれた二重丸が、ほとんど恩寵のようにわたしの目の前に浮かんでいるではないか。
どちらかと言われれば、赤のほうがややくっきりと見える気がします。いつしか、わたしは誰にともなくそう答えていた…〉
ここまで読み進めたテルさんが
「これ、望遠鏡っていうか、新しいメガネ作るときのやつですね」と言った。
「自宅にこの装置を作るって、ある意味すごい」とみんな口をそろえた。
