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妄想日報 6月11日「アイラ・モルト」

8:48出勤。
聞くところ、ナオさんの娘さんはとてもご繊細。そのため、ときにご苦労も多いらしく。
「この前もお出かけの直前に、お隣のおばさんのなんてことない一言でズーンなんてなっちゃって。そっからドンヨリ。旦那は大ざっぱだし、誰に似たのかなあと思うよ」
「いやいや、ぜったいナオさんでしょ?」「ソレまんまナオさんの繊細さ!」との皆のお見立て。
たしかに、ナオさんは共感力や感受性に富んでいてなかなかの完璧主義。こんなケッタイな職場でもあるし、日頃のストレスもさぞ多かろうと皆が改めて案ずる。
「いや、それわかります!」とそこへ現れた入社3年目、経理部のボウモアさん。
「わかります!それ痛烈にわかります!
同期のラフロイグやアードベックに比べて、ジブンってかなり繊細なんですよ。彼らのピート香とかヨード香とかの主張ツヨイ感じに、わりとジブンついてけないトコあって。なんかコイツらヒトのはなし聞かねーな。自分のはなしばっかやなー、とか?」
皆はそろって「ま、ひとまず聞いとこ」という顔をして相槌を打つ。
「ジブンはけっこうヒトの感情とかすぐ気づいちゃうし、またそれガチでもらっちゃうタイプなんで。結局ソコ損なんすよね。
わんちゃんヒトとして得すんのって、最終アッチ側の人間じゃないすか?でも、ジブンはジブンが多少損しても繊細でありてえし。ジブンつくづく生きづれー!って」
その後もさんざん「繊細」プロモーションに専念したのち、満足げに引き上げていった。
そのややスモーキーな長い余韻のなかで
「わたしはよくわからないんだけど、いまのボウモアさん含む同期のかたたち?『アイラ』組?あのへんってぜんぶ香り強いよね?なんか…正露丸みたいな」
「おのおのの謳い文句は『繊細』だったり『パワフル』だったり様々なんですけど、慣れるまでは結局ぜんいんクセは強いですよ」
「まあ、自分の好みで言うと、繊細さんタイプは好きなんだけど、繊細さんに憧れて繊細さんのフリするタイプは苦手。水でかなり割らないとムリ。ってトコなのかな?」
と、みんなじっくり思い思いのテイスティングに没頭した。

#創作 #日記 #3行日記 #アイラ・モルト #ボウモア #ラフロイグ #アードベック #ピート香 #なんのはなしですか

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