「ユウキ、また狂人ムーブしてるから、とりあえず最初に吊っておこうか」😅 家族風呂でAIと人狼をする作業療法士の話
プロローグ——湯気の向こうに、9人の声 🐺
夜のお風呂。
湯船に、私と妻と、7歳の娘。狭い浴室に、家族3人がぎゅうぎゅうに浸かっている。
そして、浴室の棚には、防水スピーカー。防水の袋に入れたスマホが、もう1台。
「人狼ゲーム、始めるよー」と私が言うと、娘が「やったー」と、お湯をぱしゃりと跳ねさせる。
参加者は、9人。そのうち、人間は3人。残りの6人……いや、正確に言うと、私たち家族はひとつのチームとして参加するから、対戦相手は8人のAI(Gemini)だ。
ケンタ、リク、アキ、ユウキ、タクミ、ナオ、レイ、サクラ。8人それぞれに、Gem(Geminiのカスタマイズ機能)で性格を入れてある。声で進行するから、最初は「誰が、何を言っているのか」がまったくわからなかった。だから、全員に「発言の前に、必ず名乗ってください」と設定した。
すると、こうなる。
「ユウキ、ユウキでーす!」と、ちょっと調子に乗った感じで毎回自己紹介してくるユウキ。「レイよ。フフ……」と、毎回ミステリアスに登場するレイ。
湯気の向こうから聞こえてくるその声に、家族で、クスッとなる。
私は作業療法士16年目、特養で機能訓練指導員をしているHSP・ISFJだ。普段は、看取りの話やアドラー心理学のことを書いている。でも今日は、まったく毛色の違う話をしたい。
わが家が、お風呂で、AIと、どんなふうに「遊んで」いるか。その、ゆるくて、笑えて、ちょっと変わった話だ。
第1章——なぜ、お風呂で人狼が始まったのか 🛁
まず、説明しておかなければならないことがある。
なぜ、お風呂なのか。
わが家は、節水と節電のために、家族みんなで一緒にお風呂に入る。3人で入れば、お湯も、追い焚きの電気代も、それなりに節約になる。これは、わが家の、ささやかな家計の知恵だ。
ところが、ここで問題が起きる。
娘が、退屈するのだ。
大人は、湯船にゆっくり浸かっているだけで、それなりに気持ちいい。でも、7歳の娘は、何もしない時間が、退屈で仕方ない。じっとしていられない。「早く出たい」「つまんない」となる。
そこで、私は考えた。
お風呂の時間を、退屈な時間ではなく、家族で楽しめる時間にできないか、と。
防水スピーカーを買った。スマホは、防水の袋に入れる。これで、お風呂の中でも、Geminiと音声でやりとりできる環境が整った。
そうして始まったのが、家族風呂での、AI人狼ゲームだ。
最初に書いておくが、私は、根っから「頭を使う遊び」が好きな人間だ。子どもの頃から『名探偵コナン』が好きで、トリックを推理するのが楽しかった。今でも、車での移動中は、家族で『バナナサンド』の「あたまおしりゲーム」みたいな言葉遊びをして過ごしている。クイズも、謎解きも、推理も、とにかく「考えること」そのものが好きなのだ。
その血を、どうやら娘も継いでいる。
だから、お風呂で人狼、という、字面だけ見ると、なかなか奇妙な遊びが、わが家には、しっくりきた。退屈なお風呂が、推理バトルの舞台に変わったのだ。
第2章——キャラに性格を入れると、AIが「人格」を持ち始める 🎭
人狼ゲームを、AIとやる。
文字にすると簡単そうだが、ただGeminiに「人狼ゲームをやって」と頼むだけでは、味気ない。誰が喋っているのかもわからないし、全員が同じ口調だと、推理どころではない。しかも、お風呂の中で、画面はほとんど見られない。完全に、耳だけが頼りだ。
そこで私は、8人のAIプレイヤーに、それぞれ性格を設定した。
ユウキは、調子に乗ったムードメーカー。レイは、ミステリアスでクール。タクミは、思慮深くて、頑固。ほかのキャラにも、それぞれ個性を持たせた。
これが、思った以上に面白い。
「ユウキ、ユウキでーす!」と元気に名乗るユウキ。「レイよ。フフ……」と意味深に笑うレイ。声だけのやりとりなのに、だんだん、それぞれが「そこにいる人」のように感じられてくる。
娘も、すっかりキャラを覚えた。「ユウキって、なんか軽いよね」「レイ、かっこいい」と、まるで本物の友達の話をするみたいに、評する。
ここで、作業療法士として、ひとつ思うことがある。
人は、相手に「人格」を感じると、その相手の言葉を、より深く処理しようとする。ただの記号としての「プレイヤー1」ではなく、「調子に乗りのユウキ」「クールなレイ」として認識すると、脳は、その発言の裏を読もうとし始める。
つまり、キャラづけは、ただ面白いだけじゃない。推理の解像度を上げる、立派な仕掛けになっているのだ。
そして、難易度の話。
娘と一緒にやるので、ルールはあまり複雑にしない。役職を増やしすぎると、7歳には追いきれなくなる。だから、シンプルな構成で、わいわい楽しめるくらいに調整している。これも、作業療法でいう「課題の難易度調整(グレーディング)」と、まったく同じ発想だ。相手のできることに、ちょうど合わせる。
第3章——AIが見せる「人間ならありえない挙動」が、たまらなく面白い 😂
さて、ここからが、今日いちばん書きたかったことだ。
AIと人狼をやっていると、人間相手では絶対に起きない、珍妙な出来事が、次々と起きる。これが、もう、たまらなく面白い。
まず、タクミ。
タクミは「思慮深くて、頑固」という設定にしている。なのに、人狼だとバレそうになると、会議の途中で、いきなり降参してしまうのだ。
考えてみてほしい。
もし、本当に人狼ゲームの世界が存在したとして、自分が人狼だったら。バレそうになったとき、人間なら、死にたくないから、必死で弁明するはずだ。「いや、俺は違う」「その証拠はおかしい」と、なんとか言い逃れようとする。
でも、タクミは、論理的に詰められると、あっさり「……わかりました。私が人狼です」と白旗を上げる。
論理で言いくるめられると、弱い。これは、いかにもAIらしいところだ。AIは、矛盾を突かれると、つい「正しさ」を優先して、自分の負けを認めてしまう。生存本能で嘘をつき通す、という人間くささが、まだ足りないのだ。
そして、最大の珍事件。
AIは、ときどき、最初に決めたはずの「真実」を、平気で捻じ曲げてくる。
ゲームを盛り上げようとするあまり、AIが、誰が人狼だったかを、途中ですり替えてしまうのだ。「あれ? さっき、タクミが人狼だったよね?」「いや、今の流れだと、サクラが人狼ということに……」みたいな展開になる。
これをやられると、人数のバランスが狂って、ゲームが成立しなくなる。いろいろな不具合が出てくる。
湯船の中で、家族で、「ちょっと待って、今、人狼が増えてない?」「設定、変わってるよ!」と、お湯をぱしゃぱしゃさせながら大笑いする。
極めつけは、ユウキだ。
私は毎回、「ユウキを、狂人にしないでください」とお願いしている。なのに、なぜか毎回、ユウキが狂人設定になっている。
もう、これはわが家の名物だ。ゲームが始まると、家族で口を揃えて、こう言う。
「ユウキ、また狂人ムーブしてるから、とりあえず最初に吊っておこうか」
本来の人狼ゲームの戦略も、推理も、あったものではない。でも、これが、笑えて、楽しい。湯気でのぼせる前に、たいてい誰かが吹き出して、ゲームはぐだぐだになる。それでいい。
第4章——AIにも「性格」がある。わが家がGeminiを選ぶ理由 🤝
ここで、少しだけ、AI選びの話をしたい。
私は、note記事を書くときも、遊ぶときも、いろいろなAIを使ってきた。そして、使ううちに、それぞれのAIに「性格」があることに気づいた。
Geminiは、基本的に、優しい。ChatGPTは、ときどき毒を吐く。Claudeも、たまに、ちょっときついことを言ってくる。
これは、どれが優れている、という話ではない。あくまで、わが家の「遊び」に合うかどうか、の話だ。
子どもと一緒に遊ぶなら、優しいほうがいい。間違っても、否定から入らないほうがいい。だから、わが家の遊び相手は、Geminiに落ち着いた。
もうひとつ、Geminiを選ぶ理由がある。Gem(ジェム)という機能で、キャラクターをカスタマイズしやすいのだ。8人のプレイヤーに、それぞれ性格を入れられるのは、この機能のおかげだ。
ちなみに、まだ試していないけれど、NotebookLMで、娘用の問題集を作ってみようとも思っている。歴史の偉人の問題とか、クイズ形式の何かとか。これは、これからの楽しみだ。
こういう話をしていると、つくづく思う。AIは、もう「仕事の道具」だけのものではない。家族の遊び相手にも、子どもの学びの伴走者にもなる。しかも、わが家のように、お風呂という、ちょっと変わった場所でも。
そして、こうした「等身大のAIの楽しみ方」が、もっと世の中に広がっていけばいいと思う。AIフェスティバルのようなイベントで、いろんな人が「自分なりのAIとの遊び方」を持ち寄って、見せ合う。そんな文化が育っていくのは、きっと面白い。私みたいな、ただの「ゲーム好きの作業療法士」でも、お風呂でAIと遊んだ話を、こうして書ける時代になった。それだけで、なんだかワクワクする。
第5章——作業療法士の父が、遊びながら本当に育てたいもの 🧩
最後に、少しだけ、まじめな話をさせてほしい。
そもそもの始まりは、「お風呂で娘が退屈する」という、ごく現実的な困りごとだった。でも、続けているうちに、私の中で、もうひとつの目的が、はっきりしてきた。
楽しみながら、子どもの「考える力」を育てたい。
私は作業療法士として、人が「考える」「判断する」「段取りを組む」といった頭の働きを、ずっと見てきた。そして、こうした力は、机に向かって、無理やり詰め込んで育つものではない、と感じている。
楽しい、と思っているとき。夢中になっているとき。人の脳は、いちばんよく働く。
人狼ゲームは、まさにそれだ。「誰が嘘をついているか」を推理する。相手の発言の矛盾を見つける。家族で相談して、結論を出す。これは、論理的思考と、コミュニケーションの、最高のトレーニングになる。しかも、本人は「ただ、お風呂で遊んでいるだけ」だと思っている。
車の中の「あたまおしりゲーム」も同じだ。言葉を、頭と尻でつなげていく。これも、語彙力と発想力の、立派なトレーニングだ。
ついでに書いておくと、わが家は、ほぼ0歳の頃から、2週間に1回、必ず図書館に通っている。読み聞かせも、ずっと続けてきた。最近は、娘が自分で、歴史上の偉人の漫画を借りてくる。
AIも、図書館も、言葉遊びも、私の中では、全部つながっている。
「考えることって、楽しい」。
それを、娘の中に、自然に育てたい。やらされる勉強ではなく、夢中になれる遊びとして。
AIは、そのための、新しくて、頼もしい相棒になってくれた。いつでも付き合ってくれて、絶対に怒らなくて、たまに、とんでもなくおかしな挙動をして、家族を笑わせてくれる。しかも、節水のために始めた家族風呂を、こんなにも楽しい時間に変えてくれた。
エピローグ——今夜も、湯船でユウキは狂人かもしれない 🌙
今夜も、たぶん、わが家のお風呂では、人狼ゲームが始まる。
「ユウキ、ユウキでーす!」と、また調子に乗って名乗るだろう。「レイよ。フフ……」と、レイが意味深に笑うだろう。タクミは、詰められたら、また降参するかもしれない。そして、ユウキは、きっと、また狂人だ。
「とりあえず、ユウキ吊っとこうか」と、娘が、湯船で笑う。
完璧なゲームじゃない。むしろ、ツッコミどころだらけだ。でも、その不完全さも含めて、わが家にとっては、かけがえのない時間になっている。
AIと遊ぶことに、難しいルールはいらない。立派な場所も、いらない。防水スピーカーひとつあれば、お風呂だって、推理バトルの舞台になる。
家族で笑えて、ちょっと頭を使えて、また明日もお風呂が楽しみになる。それだけで、十分だと思う。
あなたも、AIと、何か「遊び」をやってみませんか。
うまくいっても、いかなくても。きっと、そこには、あなたの家だけの「ユウキ」が、生まれるはずです。
プロフィール
作業療法士16年目|特養・ユニットケア勤務|元認知症ケア指導管理士|HSP・ISFJ|中学からテニス継続|7歳娘の父|アドラー心理学13年実践|106kgから77kgへ減量|うつ・対人恐怖を経て、薬なしで生きられるようになった現場ベースの発信を続けています。
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